日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS24] 地球流体力学:地球惑星現象への分野横断的アプローチ

2021年6月6日(日) 17:15 〜 18:30 Ch.18

コンビーナ:伊賀 啓太(東京大学大気海洋研究所)、吉田 茂生(九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門)、柳澤 孝寿(国立研究開発法人海洋研究開発機構 海域地震火山部門)、相木 秀則(名古屋大学)

17:15 〜 18:30

[MIS24-P02] 産業用ミリ波レーダーと光学式粒径別計数装置を用いた海面砕波観測システムの開発

*相木 秀則1、近藤 文義2、民田 晴也1 (1.名古屋大学、2.海上保安大学校)

台風通過時の海面では強風によって波浪が発達し無数の白波砕波が発生する。白波砕波によって大気境界層には大粒径飛沫と小粒径飛沫が同時に生成される。大粒径飛沫は質量が大きいため大気海洋間の運動量・熱・CO2輸送において重要な役割を果たす。小粒径飛沫は 海洋性エアロゾルとなって上空数1kmで雲の凝結核となるとともに大気の放射収支に寄与する。従来のCCDカメラを用いた白波砕波の観測研究では霧や太陽光の加減に影響されやすく荒天時や日夜連続した観測に不向きであった。本研究では自動車部品用のミリ波レーダー電子回路ボードを用いて海上の白波砕波の時空間構造を測定するシステムを開発する。ミリ波レーダーの解像度は数mmから数cmであるため1つ1つの白波砕波やシースプレー帯の動態を捉えるためには最適である。飛沫粒子の粒径分布の時間変動も重要な情報であることから筆者らが開発した海上観測用の光学式粒径別計数装置を併用する。