[M-TT43] インフラサウンド及び関連波動が繋ぐ多圏融合地球物理学の新描像

[MTT43-05] 波源及び大気モデルを考慮した津波発生に伴う微気圧変動の3次元大規模数値シミュレーション

*齊藤 義騎¹、大久保 寛¹、上原 謙太郎²、舘畑 秀衛²、横洲 弘武³ (1.東京都立大学、2.日本気象協会、3.中部電力)

キーワード：超低周波音波、微気圧波、巨大地震、津波、数値シミュレーション、災害検知

古くより，巨大地震の際には津波発生に伴う微気圧変動が観測されており、その現象の研究が行われている．この微気圧変動（極超低周波音）は，津波が発生することによって励起されることが過去に示されており，津波の伝搬よりも速い速度で大気中を伝搬することから，津波の早期検知への応用が期待されている．すなわち，微気圧変動を津波検知の観測対象の一つとして用いることで，津波検知時の情報のロバスト性をさらに向上させ，確実な検知が可能になる．しかし，この現象に関しては，実際の事象に基づいて波源や大気環境を設定した詳細な数値解析は十分に検討されていない．津波の発生頻度を考えると，再現性の高い数値解析手法の確立は重要である．そこで，本研究では波源及び大気モデルを考慮した3次元の大規模伝搬解析を実装し，津波によって誘起される微気圧変動について数値的な検討を行った．本数値実験においては，東北地方太平洋沖地震の観測結果から背景の大気変動を取り除き，津波による微気圧変動を算出し比較評価を行った．波源や大気環境を設定した詳細な数値解析により，実測データの微気圧変動に近い波形を再現できることを明らかにした．