日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM15] 宇宙プラズマ理論・シミュレーション

2021年6月4日(金) 17:15 〜 18:30 Ch.05

コンビーナ:天野 孝伸(東京大学 地球惑星科学専攻)、三宅 洋平(神戸大学計算科学教育センター)、梅田 隆行(名古屋大学 宇宙地球環境研究所)、中村 匡(福井県立大学)

17:15 〜 18:30

[PEM15-P14] 代数幾何とプラズマ物理

*中村 匡1 (1.福井県立大学)

キーワード:プラズマ粒子運動、 幾何代数、ベクトル解析

われわれは電磁気などの種々の物理現象をあつかうのに、普通ベクトル解析をつかうが、実はこれだけが幾何学構造を数学的にあつかう手段ではない。電磁気学の黎明期には電磁場の表現にベクトル解析を使うか四元数を使うかで論争があり、マックスウェルがマックスウェル方程式を四元数を使って書いていたことは、よく知られている。

その後、ヘビサイド - ギブスのベクトル解析が主流になり、四元数は忘れられていたが、21世紀になってコンピューター・グラフィックスの分野で四元数の有用性が再評価され、近年では工学の分野で実用的な解説書などを見かけるようになった。コンピューター・グラフィックスで有効ならば、同様に計算機実験でも役だつことが期待される。

現代の知識からみると、四元数はさらに一般的な幾何代数の一部とみなされる。この幾何代数は20世紀後半から物理のいろいろな分野で有用性がみとめられているが、まだ一般の物理学者に広く知られているとは言い難い。講演では、幾何代数のプラズマ物理への応用を紹介する。