日本地球惑星科学連合2021年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG43] 活断層による環境形成・維持

2021年6月4日(金) 17:15 〜 18:30 Ch.17

コンビーナ:小泉 尚嗣(滋賀県立大学環境科学部)、山野 誠(東京大学地震研究所)、笠谷 貴史(海洋研究開発機構)、濱元 栄起(埼玉県環境科学国際センター)

17:15 〜 18:30

[SCG43-P04] 間隙水圧の周期的変動が岩石亀裂の透水係数に与える影響 ―実験的検討―

*李 楊1、川北 章悟3、朝比奈 大輔2、竹村 貴人4 (1.日本大学大学院 総合基礎科学研究科、2.国立研究開発法人産業技術総合研究所 活断層・火山研究部門、3.日本大学大学院 理工学研究科、4.日本大学 文理学部 地球科学科)

キーワード:透水係数、室内実験、間隙水圧振動

地震による地殻の変動は帯水層の間隙水圧や透水係数の変化を引き起こす.地震時の帯水層において,その振動は間隙水圧と透水係数の両方を変化させ,これらの変化は互いに影響しあう。例えば,帯水層に断層が存在する場合,地震時の間隙水圧の振動によって断層面の粒子が移動し,断層面の透水係数が上昇することが指摘されている.本研究は、異なる封圧条件下において,間隙水圧の振動が亀裂を有する来待砂岩の透水係数に与える影響について実験的に調べた.間隙水圧は,中央値を3MPaとし20秒周期で振幅0.2~1.5MPaで振動させた.さらに異なる封圧条件下(10,15,20,25MPa)において亀裂を有する来待砂岩の透水係数を測定した。実験結果として、封圧10MPa以上、間隙水圧の振幅1MPaの時に間隙水圧の振動による透水係数の上昇が確認された。また、この透水係数の変化は継続的であり、振動前の透水係数に戻らないことを確認した。本研究で得られた実験結果は,地震時に観測された地下水位の上昇傾向が深度によって変化する可能性を示しており,地震による地下水位の変動メカニズムの解明につながるものである.