日本地球惑星科学連合2021年大会

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[U-14] 変動する地球に生きるための素養を育む地球教育の現状と課題

2021年6月5日(土) 15:30 〜 17:00 Ch.01 (Zoom会場01)

コンビーナ:市川 洋、中井 咲織(京都光華女子大学こども教育学部こども教育学科)、熊谷 英憲(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、西 弘嗣(東北大学学術資源研究公開センター 東北大学総合学術博物館)、座長:市川 洋(なし)

15:30 〜 15:45

[U14-01] 変動する地球に生きるための素養

★招待講演

*西 弘嗣1 (1.福井県立大学恐竜研究所)

キーワード:災害、変動する地球、生きる素養

日本は、気候変動、自然災害、環境汚染など、自然環境と人間社会との間で多くの問題に直面している。われわれは、その猛威に立ち向かう心構えと十分な防災・減災対策を用意していなくてはならない。そのためには、地学・地理学などの自然と密接にかかわる分野の教育を通して、この災害大国に暮らす人々が共有すべき「変動する地球に生きるための素養」を身につける必要がある。これにより、各個人は自然の脅威に対して「命を守る」ための備えを用意する能力をもち、自然と調和した暮らしを実現することができるようになる。

この素養を身につけるためには重要な点が2つある.一つは学校教育の中で「自然を学ぶ学習」を強化することである.特に、この教育には「文理融合」という観点が重要である。もう一つは,学びの場が生涯にわたって確保されることである。学びの場としては,博物館やジオパーク活動などがあげられる.これらの学校教育と生涯教育での学びを通して,社会が自然災害や地球環境に関連する知識を増やし,その対策を学べる機会を増やすことである.これを達成するには,その活動を支える人的支援や組織を作ることが急務であり,そのためには大学などの研究機関、学協会、地方公共団体が連携・協働し、市民が日常的に地球を学べる場を数多く設けるべきである。