日本地球惑星科学連合2022年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-DS 防災地球科学

[H-DS09] 人間環境と災害リスク

2022年5月30日(月) 11:00 〜 13:00 オンラインポスターZoom会場 (14) (Ch.14)

コンビーナ:佐藤 浩(日本大学文理学部)、コンビーナ:中埜 貴元(国土交通省国土地理院)、座長:佐藤 浩(日本大学文理学部)、中埜 貴元(国土交通省国土地理院)

11:00 〜 13:00

[HDS09-P04] 2018年7月豪雨によって広島地域で発生した崩壊に影響を与えた要因の解析

*大丸 裕武1 (1.国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所)

キーワード:2018年7月豪雨、表層崩壊、リスク評価、ハザードマップ、広島県、ランダムフォレスト

広島県東部では2018年7月の豪雨によって多数の表層崩壊が発生した。筆者は災害発生直後に林野庁が計測した航空レーザー測量データを用いて、表層崩壊の発生に影響を与えた要因の解析を行った。崩壊地の分布データとして林野庁が空中写真判読によって作成した崩壊地のポリゴンを使用した。次に、広島県東部の研究地域に100mのメッシュを設定し、メッシュ内における崩壊の有無を目的変数として設定し、雨量、傾斜、標高、地質、NDVI、植生高などの説明変数が崩壊発生に与えた影響についてランダムフォレストによる解析を行って評価した。その結果、植生高、標高、NDVI、傾斜、雨量の重要度がとくに大きいことが明らかになった。研究地域の大部分が花崗岩や流紋岩を主とする白亜紀の火成岩で占められるため、地質の影響は十分に評価できなかった。実際には、この解析結果で説明できない崩壊地の集中域が認められる。空中写真で観察すると、このような崩壊地の集中域では森林路網の盛土に由来する崩壊が多数発生していることが確認された。崩壊発生予測の精度を高めるには、森林路網のような人工的な地形改変の状況も含めた評価が必要となる。