11:00 〜 13:00
[SSS07-P14] 三次元動弾性問題における多角形・多面体ソースに関する積分核と静弾性Burgers方程式の拡張
キーワード:離散グリーン関数、動弾性、運動学的地震モデル
地殻内部の弾性変形は、表現定理を通じてトラクションと変位を畳み込む二つの境界積分方程式、およびシングルソース(体積的非弾性歪)を畳み込む体積積分方程式に帰着する。対応するグリーン関数は、フォワードモデリング、インバージョン解析問わず地球物理では馴染み深い。応用上、点源のグリーン関数は原点にある特異性の処理が煩雑であり、適当な基底関数で表現されたソースを畳み込んだ積分方程式、すなわち離散化されたグリーン関数の解析的表現はしばしば有用である(たとえばOkada model; Okada, 1985; 1992)。より広い見地で見れば、地震学における運動学的モデル(e.g. Brune, 1970; Sato and Hirasawa, 1973)もこの離散グリーン関数の一種とみることもできる。
本研究は、三次元均質等方有限媒質中の動弾性問題において、ソースとして上記の変位(のレート)、トラクション、体積的非弾性歪に対して、応用上重要な、変位核、変位レート核、ひずみ核、応力核の正則化された解析的表現がいくつかの単純な線積分に帰着することを示す。多角形境界要素と多面体体積要素内での空間区分一定、時間区分多項式補間を考え、対応するグリーン関数の解析的離散表現を併せて得る。トラクション核を中心に、導出されたいくつかの表現はおそらく新しい。
まず、Burgers変位方程式として知られている、均質等方媒質での静弾性クラック問題の表現定理の単純化表現(e.g. Anderson et al., 2017)を、動弾性形に拡張する。Burgers変位方程式により、境界積分は、境界要素上での空間区分一定補間により、境界要素側面と要素面上に射影された波面に沿う二つの線積分に帰着する。動的な場合、断層要素が平面的であるという制限はつくが、Burgers変位方程式と類似の表現を得ることができる。Burgers 変位方程式の各項に対応する動的な項に加えて、放射減衰(Cochard and Madariaga, 1994)に相当する非減衰性の指向性の高い項が新たに付け加わる。トラクションの境界積分も類似の方法で線積分表現できる。また、固有歪ソースのグリーン関数は空間区分一定を用いてトラクションソースにマップされる(Barbot et al., 2017でのように)。このマッピングは本質的には体積ソースのヘルムホルツ分解であり、これにより体積積分がトラクションの境界積分にマップされ、最終的に多面体の体積積分と多角形の境界積分は線積分の形で統一的に記述される。発表では、それらの積分の簡易表現に併せて、多角形境界と多面体に対する離散形を紹介する。導出での時間補間に関する制約は小さく、時間的区分多項式補間で導出が可能である。また、Bruneモデル (Brune, 1970)やSato Hirasawa model (Sato and Hirasawa, 1973)のモデルもより一般的な表現が容易に得られる。これらの解の紹介のほか、人工的な特異性が除去されたことによる、積分核の解析表現の数値的有用性も検討したい。
本研究は、三次元均質等方有限媒質中の動弾性問題において、ソースとして上記の変位(のレート)、トラクション、体積的非弾性歪に対して、応用上重要な、変位核、変位レート核、ひずみ核、応力核の正則化された解析的表現がいくつかの単純な線積分に帰着することを示す。多角形境界要素と多面体体積要素内での空間区分一定、時間区分多項式補間を考え、対応するグリーン関数の解析的離散表現を併せて得る。トラクション核を中心に、導出されたいくつかの表現はおそらく新しい。
まず、Burgers変位方程式として知られている、均質等方媒質での静弾性クラック問題の表現定理の単純化表現(e.g. Anderson et al., 2017)を、動弾性形に拡張する。Burgers変位方程式により、境界積分は、境界要素上での空間区分一定補間により、境界要素側面と要素面上に射影された波面に沿う二つの線積分に帰着する。動的な場合、断層要素が平面的であるという制限はつくが、Burgers変位方程式と類似の表現を得ることができる。Burgers 変位方程式の各項に対応する動的な項に加えて、放射減衰(Cochard and Madariaga, 1994)に相当する非減衰性の指向性の高い項が新たに付け加わる。トラクションの境界積分も類似の方法で線積分表現できる。また、固有歪ソースのグリーン関数は空間区分一定を用いてトラクションソースにマップされる(Barbot et al., 2017でのように)。このマッピングは本質的には体積ソースのヘルムホルツ分解であり、これにより体積積分がトラクションの境界積分にマップされ、最終的に多面体の体積積分と多角形の境界積分は線積分の形で統一的に記述される。発表では、それらの積分の簡易表現に併せて、多角形境界と多面体に対する離散形を紹介する。導出での時間補間に関する制約は小さく、時間的区分多項式補間で導出が可能である。また、Bruneモデル (Brune, 1970)やSato Hirasawa model (Sato and Hirasawa, 1973)のモデルもより一般的な表現が容易に得られる。これらの解の紹介のほか、人工的な特異性が除去されたことによる、積分核の解析表現の数値的有用性も検討したい。