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[AAS09-04] 衛星データの検証を目的とした太陽追尾型分光装置(CASTLE-CO2)によるXCO2の測定
キーワード:二酸化炭素、分光器、観測船、XCO2
関東平野からの二酸化炭素(CO2)排出量を推定する目的で、温室効果ガス観測技術衛星GOSAT (Greenhouse gases Observing SATellite)、および、その2号機GOSAT-2のターゲットモード観測機能を用いて、2017年から関東平野におけるCO2のマッピング観測を行っている。その測定された二酸化炭素カラム平均濃度(XCO2:column-averaged dry-air mole fractions of carbon dioxide)を検証するために、名古屋大学で開発された太陽追尾型分光装置CASTLE-CO2(Compact Array Spectrometer Targeting Local Emissions of CO2)を用いた地上観測を、東京(都心部)、埼玉(郊外)、つくば(TCCONサイト)、南鳥島(バックグラウンド)で行っている。また、気象庁の観測船、凌風丸にも同装置を搭載し、日本近海から南は赤道、東は東経165度付近までの海域において観測を行っている。この装置は、オプトシリウス社のグレーティング分光器(波長分解能約2cm-1)を用い、太陽追尾装置との間をシングルモードの光ファイバーで接続している。TCCON(Total Carbon Column Observing Network)などの装置と比べ、スペクトル分解能が低いため、スペクトルからXCO2を解析するときに吸収線の形を再現する方式での拘束条件を与えることができない。そのため、TCCON装置で得られたXCO2の値に対応するスペクトルの理論計算値を用いて装置の分光感度特性を求める独自の解析方法を採用している。発表では、その解析方法の詳細と各サイトで測定されたXCO2の日変化、季節変化などの特徴について報告する。