日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CG 大気海洋・環境科学複合領域・一般

[A-CG47] 全球海洋観測システムの現状と将来:OneArgoの実現と展望

2024年5月26日(日) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 6ホール)

コンビーナ:細田 滋毅(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、桂 将太(東北大学大学院理学研究科地球物理学専攻)、藤井 陽介(気象庁気象研究所)、増田 周平(海洋研究開発機構)


17:15 〜 18:45

[ACG47-P02] Argoフロートに搭載した溶存酸素センサーARO-FTの精度の再検証

*佐藤 佳奈子1内田 裕1細田 滋毅1 (1.国立研究開発法人 海洋研究開発機構)

キーワード:Argo、溶存酸素、品質管理

Argoフロートには2005年頃から溶存酸素センサーが搭載されるようになり,2024年2月現在稼働中の約3900台の約15%に搭載されている.その多くのフロートにはXylem社製Aanderaa OptodeシリーズまたはSBE-BIRD SCIENTIFIC社製SBEシリーズの光学式溶存酸素センサーが搭載されている.これらのセンサーの解像度は0.2~1micro-mol/L程度であり,応答時間が長いため急激な鉛直勾配を正確にとらえることが難しく遅延品質管理の段階で応答時間の補正が行われている.一方,JFEアドバンテック株式会社では当機構と共同でフロート搭載型RINKO(ARO-FT)を2011年に開発した.ARO-FTは上述のセンサーに比べて精度・解像度が高く,応答時間が短いことが特徴である.これらの特徴を実証するためJAMSTECではこれまでARO-FT搭載フロートを数台投入し,さらに,新学術領域研究「変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hotspot」において,形成域から亜熱帯モード水と共に海洋内部に取り込まれた水温・塩分・溶存酸素偏差が下流域にどんな影響を与え得るのかを調査するため,ARO-FTを搭載したフロート12台を2021年2月~2022年4月にかけて[25-31N, 130-170E]の海域に投入した.これまでJAMSTECが投入したフロートに搭載したARO-FT計測溶存酸素プロファイルデータに対して時間ドリフトを含めて精度を再評価した結果を発表する.