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[G01-04] 沖縄県で作成されているハザードマップの自然災害科学的評価
キーワード:自然災害、ジオハザード、ハザードマップ、防災、減災、沖縄県
2024年1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」では,M7.6の地震とそれに続く津波や土砂災害が人や建物に大きな被害をもたらした.災害時に危険な場所や地域を知り,避難行動について考えておくことは,人命を守るうえで重要であり,地域のハザードマップの作成と公開は防災・減災の点で必要である.そこで本研究では,国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」で分類されている計16種(洪水・内水・ため池・高潮・津波・土砂災害・火山・地震・震度被害・地盤被害・液状化・建物被害・火災被害・避難被害・その他被害・総合被害)の災害について,沖縄県を構成する41の自治体が公開しているハザードマップの種類を調査した.2024年1月の時点でそれぞれのハザードマップを公開している自治体は,洪水19.5%,内水9.8%,ため池7.3%,高潮53.7%,津波80.5%,土砂災害75.6%,火山0.0%で,地震に関連するものとしては震度被害12.2%,地盤被害0.0%,液状化7.3%,建物被害4.9%,火災被害0.0%,避難被害0.0%,その他被害0.0%,総合被害0.0%であった.一部の自治体ではいずれのハザードマップも公開していなかった.沖縄県では火山ハザードマップを作成する必要はないが,台風による被害をはじめとする気象災害,水災害,土砂災害のリスクは高い.そのため,高潮・津波・土砂災害ハザードマップの作成は進んでいる.しかし,地震災害についても液状化や建物被害などさまざまな被害が想定されるので,ハザードマップを整備する必要がある.また,洪水・内水ハザードマップの作成があまり進んでいないことは河川がつくる地形が少ないためと考えられるが,人口が集中する都市では内水氾濫も発生しており,予測と対策が課題である.