日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 小・中・高等学校,大学の地球惑星科学教育

2024年5月26日(日) 10:45 〜 12:15 103 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、丹羽 淑博(国立極地研究所)、座長:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、丹羽 淑博(国立極地研究所)

12:00 〜 12:15

[G04-11] 進学校出身の多い大学における防災教育の在り方について

*杉本 めぐみ1 (1.大阪大学大学院人間科学研究科)

キーワード:防災教育、命を守るスキル、高校の進学校

温暖化による災害の激甚化や局地化にあって学校教育における防災教育は非常に重要になって来ている。しかし、命を守る防災教育は進学校ほど機会が少ない。さらに防災教育に必要な最低限の地学教育の知識が求められるが、高校地学の選択が進学校になるほど難しい状況において、大学での防災教育は中学生レベルからの地学教育から始めざるを得ない状況にある。それは進学率が高い高校から受け入れている大学ほど顕著に表れる。そして進学先の大学における防災上の安全性を確認してから大学を選びをする学生も少なく、例えばハザードマップを確認したり、原発の傍にある大学かどうか等の安全情報を確認している学生はそもそも皆無である。
防災教育を大学で行う必要性が高い社会状況にあっても大学における必修科目にはなり得ず、防災の知識を持たずに社会に出て行く学生も少なくない。このような現状を鑑みて地学教育のテコ入れを小中学校の義務教育で行うことが打開策として提案できる。さらに幼児教育における地学への関心をもつような取り組みを早めることで、防災の習慣を身に付けることができる。
本発表はこれらの実践を紹介し、地学教育の在り方をもう一度考え直すきっかけにとする。