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[MGI29-P03] 巨大衝突による天王星の原始惑星系円盤形成における状態方程式依存性
キーワード:状態方程式、SPH、天王星
現在の天王星、その主要な衛星、およびリングは、おおよそ98度の傾斜角を持っている。この特徴を説明するために提案された一つの仮説が、巨大衝突説であり、この説によると、天王星の軸が巨大な衝突によって傾けられ、そして衛星が衝突によって生成された円盤から形成されたと考えられている。この仮説に従って、Smoothed Particle Hydrodynamics(SPH)法を用いて巨大衝突の流体数値シミュレーションが行われてきた(例、Slattery et al. 1992; Kurosaki & Inutsuka 2019; Kegerreis et al. 2018; Reinhardt et al. 2020)。これらのシミュレーションによると、一般的に、重くコンパクトな円盤を予測されている。これは天王星の現在の衛星系と矛盾すると考えられるが、Ida et al. (2020)によると、円盤の質量とサイズの矛盾は円盤の熱進化を考えることによって解決される可能性が示された。しかし、円盤に含まれる岩石の量はシミュレーションごとに異なる結果が得られており、天王星の衛星は天王星自体よりも岩石が豊富な組成を示している(質量比で約30〜50%)という問題は未だ解決されていない。この違いは、主にシミュレーションで使用される状態方程式の変動が原因と考えられる。
そこで本研究では、過去の研究で使用されてきた3つの異なる状態方程式(ANEOS/SESAME、Tillotson、Hubbard & MacFarlane(1980)モデル)を使用して、氷の巨大惑星である天王星に対する巨大衝突のシミュレーションを実施した。シミュレーションには、Standard SPH法とDensity Independent SPH法(Saitoh & Makino、2013; Hosono et al.、2013)を使用した。本発表では、特に形成される円盤の氷:岩石の質量比と岩石の総質量における状態方程式の影響に焦点を当てて報告する。
そこで本研究では、過去の研究で使用されてきた3つの異なる状態方程式(ANEOS/SESAME、Tillotson、Hubbard & MacFarlane(1980)モデル)を使用して、氷の巨大惑星である天王星に対する巨大衝突のシミュレーションを実施した。シミュレーションには、Standard SPH法とDensity Independent SPH法(Saitoh & Makino、2013; Hosono et al.、2013)を使用した。本発表では、特に形成される円盤の氷:岩石の質量比と岩石の総質量における状態方程式の影響に焦点を当てて報告する。