14:45 〜 15:15
[O06-03] ジオパークと気候変動対策
★招待講演
キーワード:気候変動、ジオパーク
ジオパーク活動において、気候変動は重要な課題である。ユネスコ世界ジオパークの基準に「ユネスコ世界ジオパークは、当該地域の自然・文化遺産のあらゆる分野と関連したその遺産をもって、我々が暮らす変動する惑星の中で、社会が直面している重要課題への意識を高める目的で、活用されるべきである。」とあり、その重要課題の一つとして、「気候変動」が挙げられている(原文は英語、日本語は2016年1月JGN国際化ワーキンググループによる試訳による)。
実際、気候変動への知識と理解の増大に関連して、ジオパーク活動が扱う地球科学的な視座や、大地の遺産に残される変動の記録は大きな助けとなる。全球規模で急激に気候が変化していく中で、持続可能な方法で地域を発展させるためには、気候変動対策は必須である。さらには、全地球的な喫緊の課題として、意識を高めるだけではなく、地域毎の具体的なアクションへと繋げる必要がある。急激な気候変化の下では、地球上どの地域でも、持続可能な社会をつくることは困難となる。
それでは、各ジオパーク地域は具体的にどのような気候変動対策のアクションを起こせるだろうか。日本のジオパークは、地方自治体が主体となっている地域が多い。縦割りと成りがちな行政組織のなかで、ジオパーク活動を推進する組織や部門が、気候変動対策の中核を兼ねる例はほとんど聞かない。その中で、ジオパーク推進組織が主体的に行える気候変動対策の活動について考察した。具体的には、自然遺産のモニタリングや関連研究の支援、地域における気候変動対策の意味づけ、教育、ツーリズムの分野での脱炭素化、気候変動対策に取り組む人の支援、気候変動対策と自然遺産の保護の間に生まれる軋轢に対しての対話や議論の場づくりが考えられる。
著者が活動する北海道鹿追町では、2021年にゼロカーボンシティ推進戦略が定められ、とかち鹿追ジオパークの活動も組み込む形で、地域としての気候変動対策が進められている。本講演では、とかち鹿追ジオパーク地域の事例と、ジオパーク活動が主体的に取り組める気候変動対策について、より考察を深めて紹介する。
実際、気候変動への知識と理解の増大に関連して、ジオパーク活動が扱う地球科学的な視座や、大地の遺産に残される変動の記録は大きな助けとなる。全球規模で急激に気候が変化していく中で、持続可能な方法で地域を発展させるためには、気候変動対策は必須である。さらには、全地球的な喫緊の課題として、意識を高めるだけではなく、地域毎の具体的なアクションへと繋げる必要がある。急激な気候変化の下では、地球上どの地域でも、持続可能な社会をつくることは困難となる。
それでは、各ジオパーク地域は具体的にどのような気候変動対策のアクションを起こせるだろうか。日本のジオパークは、地方自治体が主体となっている地域が多い。縦割りと成りがちな行政組織のなかで、ジオパーク活動を推進する組織や部門が、気候変動対策の中核を兼ねる例はほとんど聞かない。その中で、ジオパーク推進組織が主体的に行える気候変動対策の活動について考察した。具体的には、自然遺産のモニタリングや関連研究の支援、地域における気候変動対策の意味づけ、教育、ツーリズムの分野での脱炭素化、気候変動対策に取り組む人の支援、気候変動対策と自然遺産の保護の間に生まれる軋轢に対しての対話や議論の場づくりが考えられる。
著者が活動する北海道鹿追町では、2021年にゼロカーボンシティ推進戦略が定められ、とかち鹿追ジオパークの活動も組み込む形で、地域としての気候変動対策が進められている。本講演では、とかち鹿追ジオパーク地域の事例と、ジオパーク活動が主体的に取り組める気候変動対策について、より考察を深めて紹介する。