13:45 〜 15:15
[O08-P60] 発電菌の最適環境についての研究 発電菌の実用化に向けて
キーワード:発電菌、再生可能エネルギー、微生物
私達は発電菌についての調査を行いました。まずはじめに研究の大まかな概要を説明します。まず身近な土には発電菌はいるかを調査するため家庭菜園の土と蒸留水を混ぜ、電極に銅板を使用し電流を計りました。銅板は土に直接差し込みました。その後発電菌はどのような環境を好むのか、どうすれば発電量が増えるのかを調査しました。ポスターに書いてあること以外に行った実験を交えて発表します。
改めて、私達のテーマは、発電菌についての調査です。
発電菌とは、無酸素状態でも有機物からエネルギーを取り出すことができ、その際に余る電子を体外へ放出する機能を持っている微生物のことです。発電菌はたくさんの種類がいると言われていますが、現在発見されているのは数種類しかいません。そして、種類によって発電の仕方が異なります。
この探究の最終目標は、災害などで電気が使えないときに発電菌を利用し、電気を得られるようにしたいということです。また、この菌を利用し、電気を得られるようになれば持続可能エネルギーになるのではないかと考えました。そして、これらを実現するための、私達の探究目的は解明されてないことが多い発電菌の生態を解明することです。
まず初めに実験1として、家庭菜園の土の中に発電菌はいるのかを調べました。方法は、家庭菜園の無農薬で育てたピーマンと花の土10gに室温の蒸留水をそれぞれ25mlを加えて混ぜ、電流を測定しました。次に、その土に水酸化鉄水溶液を混ぜ、電流を測定しました。最後に、蒸留水でろ過洗浄後、再度蒸留水を加えて混ぜ、電流を測定しました。
結果は次の表のようになりました。
この結果から、発電菌がいるかどうかの判断はできないが、土の中の何かが電流値の上昇に影響を与えていることがわかりました。
そこで、土の中にもともとイオンが含まれていれば、方法1の段階で電解質水溶液となり、結果Aは0ではない。また、土の中の不純物によって発電菌の活動が阻害されている。という2つの仮説を立てました。
次に、実験1の結果では発電菌がいるかどうか判断できなかったため、実験2として、培養した菌のみで発電するのか実験しました。方法は、寒天培地を作成し、ピーマンの土10gに蒸留水25mlを混ぜた水溶液を10μl滴下し、40度に設定した恒温器にいれて1回目の培養を行いました。次に、その寒天培地に広がったコロニーごとに菌を採取し、2回目の培養を行いました。最後に、2回目の培養によって単離した菌を蒸留水150mlで水中培養を行い、発電量を測定しました。
結果は、最大値で0.3μAでした。
この結果より、家庭菜園の土の中には発電菌が存在していると推定できます。
次に、ろ過洗浄により、きれいな土にすれば発電量は増えるのかを調べるために実験③として、ろ過後の土とろ液の電流を調べる実験を行いました。方法は、ピーマンの土10gに5℃、35℃、40℃の蒸留水25mlを加えて混ぜ、電流を測定しました。その水溶液をろ過し、蒸留水を加えた土とろ液の電流を測定しました。この工程を数回繰り返し、それぞれの電流を測定しました。蒸留水を5℃と35℃と40℃にした理由は、ほとんどの細菌は50℃で死んでしまうため、50℃までの35℃と40℃ではどうなるのかと思ったからです。
結果は、次の表のようになりました。
40℃にした蒸留水では、ろ過数を増やすごとにろ過後の土、ろ液ともに数値が上がりました。ろ過後の土の3回目から4回目の数値が急激に上がっています。これは3回目までの数値に影響したものとは違うものの影響ではないかと考えられます。一方、5℃、35℃はろ過の回数を増やすごとにろ過後の土、ろ液ともに数値が下がりました。
その結果は、次の表のようになりました。
このポスターに書いてある実験はここまでしか行っていないのですが、先日行われた校内の研究発表会でいただいた助言をもとに、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃の蒸留水で追加の実験を行いました。
この結果より、すべての温度でろ過の回数を増やすごとに数値が下がりました。しかし、60℃と90℃の4回目の濾過後の土の数値が上がっています。この結果になった理由はしっかりとは分かりませんが、4回目までの結果をもたらしたものとは別の何かの影響ではないかと考えます。また、土は0回目と1回目で得られた電流の差が大きくなったのに対し、ろ液は、1回目と2回目の差が大きくなりました。これも正確な理由は分かりませんでしたが、土の中のなんらかの物質がろ過1回目より、流れ出たことで大きく値が変化したのではないかとかんがえました。そして、発電菌は40℃から50℃の間が活動しやすい温度なのではないかと考察しました。
これらの研究から以下の結論に至りました。実験3では発電菌は50℃で死んでしまうのではないかと仮定していましたが、追加実験によって50℃以上でも電流を得られることがわかりました。これにより、発電菌の活動しやすい温度は40℃から50℃の間であると仮定しました。
今後の展望として、実験2の水中培養では、まだあまり培養しきれていなかったため、今後さらに発電量は増加する可能性が高いと考えました。災害時や生活の中で使えるようにするために、発電菌の存在の確証を得られるような研究を進めていきたいです。
以上で私たちの発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。
改めて、私達のテーマは、発電菌についての調査です。
発電菌とは、無酸素状態でも有機物からエネルギーを取り出すことができ、その際に余る電子を体外へ放出する機能を持っている微生物のことです。発電菌はたくさんの種類がいると言われていますが、現在発見されているのは数種類しかいません。そして、種類によって発電の仕方が異なります。
この探究の最終目標は、災害などで電気が使えないときに発電菌を利用し、電気を得られるようにしたいということです。また、この菌を利用し、電気を得られるようになれば持続可能エネルギーになるのではないかと考えました。そして、これらを実現するための、私達の探究目的は解明されてないことが多い発電菌の生態を解明することです。
まず初めに実験1として、家庭菜園の土の中に発電菌はいるのかを調べました。方法は、家庭菜園の無農薬で育てたピーマンと花の土10gに室温の蒸留水をそれぞれ25mlを加えて混ぜ、電流を測定しました。次に、その土に水酸化鉄水溶液を混ぜ、電流を測定しました。最後に、蒸留水でろ過洗浄後、再度蒸留水を加えて混ぜ、電流を測定しました。
結果は次の表のようになりました。
この結果から、発電菌がいるかどうかの判断はできないが、土の中の何かが電流値の上昇に影響を与えていることがわかりました。
そこで、土の中にもともとイオンが含まれていれば、方法1の段階で電解質水溶液となり、結果Aは0ではない。また、土の中の不純物によって発電菌の活動が阻害されている。という2つの仮説を立てました。
次に、実験1の結果では発電菌がいるかどうか判断できなかったため、実験2として、培養した菌のみで発電するのか実験しました。方法は、寒天培地を作成し、ピーマンの土10gに蒸留水25mlを混ぜた水溶液を10μl滴下し、40度に設定した恒温器にいれて1回目の培養を行いました。次に、その寒天培地に広がったコロニーごとに菌を採取し、2回目の培養を行いました。最後に、2回目の培養によって単離した菌を蒸留水150mlで水中培養を行い、発電量を測定しました。
結果は、最大値で0.3μAでした。
この結果より、家庭菜園の土の中には発電菌が存在していると推定できます。
次に、ろ過洗浄により、きれいな土にすれば発電量は増えるのかを調べるために実験③として、ろ過後の土とろ液の電流を調べる実験を行いました。方法は、ピーマンの土10gに5℃、35℃、40℃の蒸留水25mlを加えて混ぜ、電流を測定しました。その水溶液をろ過し、蒸留水を加えた土とろ液の電流を測定しました。この工程を数回繰り返し、それぞれの電流を測定しました。蒸留水を5℃と35℃と40℃にした理由は、ほとんどの細菌は50℃で死んでしまうため、50℃までの35℃と40℃ではどうなるのかと思ったからです。
結果は、次の表のようになりました。
40℃にした蒸留水では、ろ過数を増やすごとにろ過後の土、ろ液ともに数値が上がりました。ろ過後の土の3回目から4回目の数値が急激に上がっています。これは3回目までの数値に影響したものとは違うものの影響ではないかと考えられます。一方、5℃、35℃はろ過の回数を増やすごとにろ過後の土、ろ液ともに数値が下がりました。
その結果は、次の表のようになりました。
このポスターに書いてある実験はここまでしか行っていないのですが、先日行われた校内の研究発表会でいただいた助言をもとに、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃の蒸留水で追加の実験を行いました。
この結果より、すべての温度でろ過の回数を増やすごとに数値が下がりました。しかし、60℃と90℃の4回目の濾過後の土の数値が上がっています。この結果になった理由はしっかりとは分かりませんが、4回目までの結果をもたらしたものとは別の何かの影響ではないかと考えます。また、土は0回目と1回目で得られた電流の差が大きくなったのに対し、ろ液は、1回目と2回目の差が大きくなりました。これも正確な理由は分かりませんでしたが、土の中のなんらかの物質がろ過1回目より、流れ出たことで大きく値が変化したのではないかとかんがえました。そして、発電菌は40℃から50℃の間が活動しやすい温度なのではないかと考察しました。
これらの研究から以下の結論に至りました。実験3では発電菌は50℃で死んでしまうのではないかと仮定していましたが、追加実験によって50℃以上でも電流を得られることがわかりました。これにより、発電菌の活動しやすい温度は40℃から50℃の間であると仮定しました。
今後の展望として、実験2の水中培養では、まだあまり培養しきれていなかったため、今後さらに発電量は増加する可能性が高いと考えました。災害時や生活の中で使えるようにするために、発電菌の存在の確証を得られるような研究を進めていきたいです。
以上で私たちの発表を終わります。ご清聴ありがとうございました。