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[PEM12-P26] 半球間沿磁力線電流(IHFACs)に現れる準6日波の季節依存性と緯度構造

キーワード:準6日波、主成分分析、半球間沿磁力線電流、大気波動
準6日波は、熱帯の積雲対流活動に伴う潜熱加熱によって発生する大気波の一種で[Miyoshi and Hirooka, 1999]、上方に伝播し、電離層の赤道ジェット電流に影響を与えることが衛星観測から確認されている [Yamazaki et al.] また、TIME-GCMの計算では、春分/秋分前後で最大振幅となる[Liu et al., 2014]ことがわかっている。半球間沿磁力線電流(IHFACs)は、半球間で生じる発散的な空間構造を持つ電離層電流の非一様性を解消するために、一方の半球の電離層から磁気圏を介して他方の半球の電離層に流れる[Fukushima, 1979]。IHFACの方向は朝・昼・夕で変化し、その強度は2月と8月に最大となる[S. Yamashita and T. Iyemori, 2002]。
本研究では、MAGDASとINTERMAGNETの地上磁場観測データを用いて、準6日波のIHFACsへの影響を明らかにした。使用したデータは、2007年~2011年の磁気的静穏期における地磁気経度210°帯、地磁気緯度-35°~+35°の9観測点における東西(D)磁場成分である。主成分分析は、あらゆるデータから大きな成分を抽出し、その内部構造を明らかにすることができる統計解析手法で、これをデータに適用し、磁気赤道域と中低緯度域のD成分からSq電流系とIHFACsの変動を分離・抽出した。そして、IHFACsの変動成分から約6日周期の変動(準6日振動)の振幅割合を取り出した。また、各月でその振幅割合を5年平均することで、準6日波による電離層電流変動の緯度構造と季節変動を示した。
その結果、準6日波の季節依存性と一致するように、変動が春分/秋分前後で強くなったため、IHFACsは準6日波の影響を受けていることがわかった。またIHFACsに現れる準6日振動の緯度構造は赤道から中緯度にかけて振幅があり、準6日波がIHFACsを介して半球間を伝播している可能性を示唆している。本発表では、さらに詳しい結果と考察を紹介する。
本研究では、MAGDASとINTERMAGNETの地上磁場観測データを用いて、準6日波のIHFACsへの影響を明らかにした。使用したデータは、2007年~2011年の磁気的静穏期における地磁気経度210°帯、地磁気緯度-35°~+35°の9観測点における東西(D)磁場成分である。主成分分析は、あらゆるデータから大きな成分を抽出し、その内部構造を明らかにすることができる統計解析手法で、これをデータに適用し、磁気赤道域と中低緯度域のD成分からSq電流系とIHFACsの変動を分離・抽出した。そして、IHFACsの変動成分から約6日周期の変動(準6日振動)の振幅割合を取り出した。また、各月でその振幅割合を5年平均することで、準6日波による電離層電流変動の緯度構造と季節変動を示した。
その結果、準6日波の季節依存性と一致するように、変動が春分/秋分前後で強くなったため、IHFACsは準6日波の影響を受けていることがわかった。またIHFACsに現れる準6日振動の緯度構造は赤道から中緯度にかけて振幅があり、準6日波がIHFACsを介して半球間を伝播している可能性を示唆している。本発表では、さらに詳しい結果と考察を紹介する。