日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG46] 岩石―流体相互作用の新展開:表層から沈み込み帯深部まで

2024年5月29日(水) 09:00 〜 10:30 301B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:岡本 敦(東北大学大学院環境科学研究科)、武藤 潤(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、片山 郁夫(広島大学大学院先進理工系科学研究科地球惑星システム学プログラム)、中島 淳一(東京工業大学理学院地球惑星科学系)、座長:片山 郁夫(広島大学大学院先進理工系科学研究科地球惑星システム学プログラム)、中島 淳一(東京工業大学理学院地球惑星科学系)

09:15 〜 09:30

[SCG46-11] アスペリティは短時間で固着を回復するのか?

*中島 淳一1長谷川 昭2 (1.東京工業大学理学院地球惑星科学系、2.東北大学大学院理学研究科)

同じパッチの繰り返し破壊と解釈されている繰り返し地震(リピータ−)はサンアンドレアス断層や沈み込みプレート境界などで多く見つかっており,例えば約5.5年間隔でM4.8程度の地震が繰り返し発生する釜石沖のリピーターなどが代表例として知られている.釜石沖のリピーターは太平洋プレートの定常的な沈み込みにより,孤立したアスペリティがほぼ一定間隔で破壊することが原因であると理解でされている.一方でバースト型とよばれる数日から数ヶ月という短時間で発生するピリーターも知られていたが,その発生メカニズムはよくわかっていなかった.
近年,内陸地殻やスラブ内においてもリピーターが発生していることがわかってきた.これらのリピータは数分から数時間で繰り返すものも多く存在する.さらに,同じグループに属するリピータであっても応力降下量が数倍異なることもあることがわかってきた.孤立したアスペリティの繰り返し破壊がリピーターの原因であるならば,アスペリティはごく短時間でその強度を回復すること,また断層強度は時間変化することが強く示唆される.講演では最近の地震学的観測事実を紹介した上で,アスペリティの強度回復過程を議論する予定である.