日本地球惑星科学連合2024年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG47] 地殻流体と地殻変動

2024年5月28日(火) 13:45 〜 15:00 301B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:北川 有一(産業技術総合研究所地質調査総合センター地震地下水研究グループ)、小泉 尚嗣(滋賀県立大学)、笠谷 貴史(海洋研究開発機構)、角森 史昭(東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設)、座長:北川 有一(産業技術総合研究所地質調査総合センター地震地下水研究グループ)、角森 史昭(東京大学大学院理学系研究科地殻化学実験施設)

13:45 〜 14:00

[SCG47-01] 地震後に観測されたゆっくりとした歪変化と地下水位変化-産総研の須崎大谷観測点の場合-

*北川 有一1 (1.産業技術総合研究所地質調査総合センター地震地下水研究グループ)

キーワード:歪、地下水、地震後の変化

南海トラフでの巨大地震の短期・中期予測研究のために、愛知県・紀伊半島・四国の観測点で地殻変動・地下水の観測を行い、特にプレート境界での短期的SSEのモニタリングに重点をおいて取り組んでいる。2019年5月10日に日向灘で地震(M6.3)が発生した際に、産総研の土佐清水松尾(TSS)観測点において地震後にゆっくりとした歪変化が観測されたが、地震の揺れに起因したTSS周辺の局所的な変化の可能性が高いと推測された。TSSと同じく南海トラフのプレート境界の固着域に近い産総研の須崎大谷(SSK)観測点において同様の歪変化が発生しているかどうか調査した。四国周辺でのM5以上の地震や高知県須崎市で震度2以上の地震の後の歪・地下水位の変化を調査したところ、地震後のゆっくりした歪変化を7例見つけた。そのうちの2例は降雨の影響が重なっていると見られるため、精査が必要である。歪変化と同時にSSKの観測井戸の水位が地震後に変化していた例もあった。これらの観測結果を紹介する。