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[SSS07-01] 地震変位場の近地項の距離減衰に関する解析的考察

キーワード:近地項、距離減衰、地震変位場、解析解
近年、2016年熊本地震、2023年トルコ・カフラマンマラシュ地震、2024年能登半島地震など、断層ごく近傍で地震記録や測地記録が稠密に観測される事例が増えてきた。そのため、Aki and Richards (1980, 2002) における地震波の近地項・中間項・遠地項の寄与が改めて着目されている。そこで、本研究では、ダブルカップル点震源から放射される地震波変位場の近地項の距離減衰に関する解析的考察を行った。
ダブルカップル点震源から放射される地震波の変位場は、モーメントテンソルとグリーンテンソルの空間微分の畳み込みによって表される。近地における地震波の特性についての既往研究は様々あるが、永久変位およびr→0としたときの結果を除いて、変位および速度の震源距離rの依存性、すなわち距離減衰性については十分に解明されていない.
本研究では、複数の代表的なmoment rate関数(デルタ関数、Box-car関数、二等辺三角形の関数、smoother ramp関数など)を用いて、変位と速度の近地項の距離減衰の解析解を導出した。その結果、変位の近地項は、震源時間関数に依らず 震源距離に対してr-2で減衰することを証明した。また、速度の近地項の距離減衰は、震源時間関数の形状に 依って減衰率が切り替わる距離が一意に定まり、この境界点より近距離ではr-2、遠距離ではr-3に移行することを明らかにした。最後に、この解析結果と数値積分を用いて近地項を計算した結果との整合性を検証した。
ダブルカップル点震源から放射される地震波の変位場は、モーメントテンソルとグリーンテンソルの空間微分の畳み込みによって表される。近地における地震波の特性についての既往研究は様々あるが、永久変位およびr→0としたときの結果を除いて、変位および速度の震源距離rの依存性、すなわち距離減衰性については十分に解明されていない.
本研究では、複数の代表的なmoment rate関数(デルタ関数、Box-car関数、二等辺三角形の関数、smoother ramp関数など)を用いて、変位と速度の近地項の距離減衰の解析解を導出した。その結果、変位の近地項は、震源時間関数に依らず 震源距離に対してr-2で減衰することを証明した。また、速度の近地項の距離減衰は、震源時間関数の形状に 依って減衰率が切り替わる距離が一意に定まり、この境界点より近距離ではr-2、遠距離ではr-3に移行することを明らかにした。最後に、この解析結果と数値積分を用いて近地項を計算した結果との整合性を検証した。