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[SVC26-09] 水準測量によって測定された桜島火山の地盤上下変動(2023年11月測量の結果)
キーワード:桜島火山、精密水準測量、地盤上下変動
2019年度より開始された「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第2次)」における課題「桜島火山における火山活動推移モデルの構築による火山噴火予測のための総合的観測研究」の一環として,2023年11月に桜島火山において精密水準測量の繰返し観測を実施した.本講演では,この測量の結果得られた桜島火山の地盤上下変動について報告する.
水準測量を実施した路線は,桜島西部山腹のハルタ山登山路線,北部山腹の北岳路線の2路線に加え,2021年度に新設した鹿児島湾西部の大崎鼻GNSS点付設の水準点まで,および桜島北部の割石崎GNSS点付設の水準点までの枝線区間である.路線総延長は約23 kmであり,これらの路線を,2023年11月6日~17日の期間において測量に当たった.測量方法は,各水準点間の往復測量で,その往復差は1級水準測量の許容誤差を満たすようにした.測量における誤差は,1 km当りの平均自乗誤差が,ハルタ山登山路線および北岳路線においてそれぞれ±0.24 mm/kmおよび±0.21 mm/kmという結果となり,高精度の水準測量を行うことができた.
ハルタ山登山路線および北岳路線の2路線について,これまでの測量と同様に,桜島西岸の水準点BM.S.17を不動点(基準)とし,各水準点における比高値を計算した.これを前回の2022年11月に行われた測量結果(山本・他,2023)と比較することで,2022年11月から2023年11月の期間の約1年間における地盤上下変動量を計算した.
計算された地盤上下変動量から,桜島北岸に比較的近い北岳路線の水準点において,地盤隆起(最大で5.8 mm)が生じていることが確認された.この期間,桜島北部あるいは姶良カルデラ地下のマグマ溜まりにおいてマグマの貯留が進行していることを示していると考えられる.一方で,桜島中央部付近に比較的近い水準点においては,地盤沈降が確認された.ただし,その変動量は比較的に小さく,最大でも-1.5 mmであった.南岳直下のマグマ溜りにおいては,減圧傾向ではあるもののその減圧量はそれほど大きくはないことが示唆される.
測量を実施した水準点の空間分布が限られているため試行的な結果であるが,茂木モデルに基づき,得られた上下変動量データから圧力源解析を行ったところ,桜島北方の姶良カルデラの地下に増圧源が,また南岳地下の浅部に減圧源が推定された.講演では,姶良カルデラ周辺の広域データとともに解析を行った結果についても報告する予定である.
水準測量を実施した路線は,桜島西部山腹のハルタ山登山路線,北部山腹の北岳路線の2路線に加え,2021年度に新設した鹿児島湾西部の大崎鼻GNSS点付設の水準点まで,および桜島北部の割石崎GNSS点付設の水準点までの枝線区間である.路線総延長は約23 kmであり,これらの路線を,2023年11月6日~17日の期間において測量に当たった.測量方法は,各水準点間の往復測量で,その往復差は1級水準測量の許容誤差を満たすようにした.測量における誤差は,1 km当りの平均自乗誤差が,ハルタ山登山路線および北岳路線においてそれぞれ±0.24 mm/kmおよび±0.21 mm/kmという結果となり,高精度の水準測量を行うことができた.
ハルタ山登山路線および北岳路線の2路線について,これまでの測量と同様に,桜島西岸の水準点BM.S.17を不動点(基準)とし,各水準点における比高値を計算した.これを前回の2022年11月に行われた測量結果(山本・他,2023)と比較することで,2022年11月から2023年11月の期間の約1年間における地盤上下変動量を計算した.
計算された地盤上下変動量から,桜島北岸に比較的近い北岳路線の水準点において,地盤隆起(最大で5.8 mm)が生じていることが確認された.この期間,桜島北部あるいは姶良カルデラ地下のマグマ溜まりにおいてマグマの貯留が進行していることを示していると考えられる.一方で,桜島中央部付近に比較的近い水準点においては,地盤沈降が確認された.ただし,その変動量は比較的に小さく,最大でも-1.5 mmであった.南岳直下のマグマ溜りにおいては,減圧傾向ではあるもののその減圧量はそれほど大きくはないことが示唆される.
測量を実施した水準点の空間分布が限られているため試行的な結果であるが,茂木モデルに基づき,得られた上下変動量データから圧力源解析を行ったところ,桜島北方の姶良カルデラの地下に増圧源が,また南岳地下の浅部に減圧源が推定された.講演では,姶良カルデラ周辺の広域データとともに解析を行った結果についても報告する予定である.