13:45 〜 14:00
[U10-01] 日本学術会議の在り方と第26期の取組について
★招待講演
キーワード:日本学術会議、ナショナルアカデミー
日本学術会議は、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、内閣総理大臣の所
轄の下、政府から独立して職務を行う特別の機関として1949年に設立されました。日本学術会議の果たす役
割は、主に次の4つです。(1) 政府・社会に対して日本の科学者の意見を直接提言すること、(2) 市民社会との
対話を通じて科学への理解を深めること、(3) 地域社会の学術振興や学協会の機能強化に貢献すること、(4) 日
本を代表するアカデミーとして国際学術交流を推進すること。
特に、国際活動の面では、日本の科学者の内外に対する代表機関として、国内の学協会等の協力を得ながら
世界各国のアカデミーとの協働・連携を進めるとともに、国際学術会議(ISC)をはじめ、国や地域を代表
するアカデミーを加盟資格とする多くの国際学術団体に加盟し、その運営・審議に参画しています。中には学
術にかかわる国際基準を制定する国際学術団体もあり、日本の学術の成果を国際基準に反映させることも可能
となっています。
日本学術会議は、ナショナルアカデミーとして、より良い役割発揮を実現するために、これまでにも多様な
主体と対話を重ねながら、意志の表出と科学的助言機能の強化や会員選考プロセスの透明性の向上などの自主
的改革を行ってきました1)。2023年10月に開始した第26期においても、タイムリーでスピーディな意思の表
出と助言機能の強化や、各種学術関係機関との密接なコミュニケーションとハブとしての活動強化、ナショナ
ルアカデミーとしての国際的プレゼンスの向上をはじめとする、優先的に取り組む課題について精力的に検討
を行っているところです。一方で政府においては、学術会議に求められる機能及びそれにふさわしい組織形態
の在り方について検討が進められており、2023年12月には、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の
「中間報告2)」を踏まえ、日本学術会議を国から独立した法人格を有する組織とすることとし、日本学術会議
の意見も聞きながら内閣府において法制化に向けた具体的な検討を進める方針3)が示されました。日本学術会
議においては、これまで、政府の懇談会の場等において、活動面や会員選考における独立性・自律性の確保や
国による財政支援などの懸念点を示してきたところであり、政府が検討する法人化案が、これらの懸念点が解
消されるものであるか学術会議としても主体的に議論を行いつつ、慎重に見極めてまいりたいと考えておりま
す。
こうした日本学術会議の組織形態をめぐる議論は非常に重要ですが、同時に、日本学術会議が本来取り組む
べき活動をこれまで以上に強化してくことも重要です。「日本学術会議第26期アクションプラン骨子4)」に基
づく改革の取組の実現に向けて、会員、連携会員の総力をあげて進めてまいります。
1) 日本学術会議「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」(2021年4月22日)
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-s182-2.pdf
2) 日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会「中間報告」(2023年12月21日)
https://www.cao.go.jp/scjarikata/kondankai/chukanhokoku.pdf
3) 内閣府「日本学術会議の法人化に向けて」(2023年12月22日)
https://www.cao.go.jp/scjarikata/20231222houshin.html
4) 日本学術会議「日本学術会議第26期アクションプラン骨子(案)」(2023年12月9日)
https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/sokai/siryo190-5.pdf
轄の下、政府から独立して職務を行う特別の機関として1949年に設立されました。日本学術会議の果たす役
割は、主に次の4つです。(1) 政府・社会に対して日本の科学者の意見を直接提言すること、(2) 市民社会との
対話を通じて科学への理解を深めること、(3) 地域社会の学術振興や学協会の機能強化に貢献すること、(4) 日
本を代表するアカデミーとして国際学術交流を推進すること。
特に、国際活動の面では、日本の科学者の内外に対する代表機関として、国内の学協会等の協力を得ながら
世界各国のアカデミーとの協働・連携を進めるとともに、国際学術会議(ISC)をはじめ、国や地域を代表
するアカデミーを加盟資格とする多くの国際学術団体に加盟し、その運営・審議に参画しています。中には学
術にかかわる国際基準を制定する国際学術団体もあり、日本の学術の成果を国際基準に反映させることも可能
となっています。
日本学術会議は、ナショナルアカデミーとして、より良い役割発揮を実現するために、これまでにも多様な
主体と対話を重ねながら、意志の表出と科学的助言機能の強化や会員選考プロセスの透明性の向上などの自主
的改革を行ってきました1)。2023年10月に開始した第26期においても、タイムリーでスピーディな意思の表
出と助言機能の強化や、各種学術関係機関との密接なコミュニケーションとハブとしての活動強化、ナショナ
ルアカデミーとしての国際的プレゼンスの向上をはじめとする、優先的に取り組む課題について精力的に検討
を行っているところです。一方で政府においては、学術会議に求められる機能及びそれにふさわしい組織形態
の在り方について検討が進められており、2023年12月には、日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会の
「中間報告2)」を踏まえ、日本学術会議を国から独立した法人格を有する組織とすることとし、日本学術会議
の意見も聞きながら内閣府において法制化に向けた具体的な検討を進める方針3)が示されました。日本学術会
議においては、これまで、政府の懇談会の場等において、活動面や会員選考における独立性・自律性の確保や
国による財政支援などの懸念点を示してきたところであり、政府が検討する法人化案が、これらの懸念点が解
消されるものであるか学術会議としても主体的に議論を行いつつ、慎重に見極めてまいりたいと考えておりま
す。
こうした日本学術会議の組織形態をめぐる議論は非常に重要ですが、同時に、日本学術会議が本来取り組む
べき活動をこれまで以上に強化してくことも重要です。「日本学術会議第26期アクションプラン骨子4)」に基
づく改革の取組の実現に向けて、会員、連携会員の総力をあげて進めてまいります。
1) 日本学術会議「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」(2021年4月22日)
https://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/pdf/kohyo-25-s182-2.pdf
2) 日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会「中間報告」(2023年12月21日)
https://www.cao.go.jp/scjarikata/kondankai/chukanhokoku.pdf
3) 内閣府「日本学術会議の法人化に向けて」(2023年12月22日)
https://www.cao.go.jp/scjarikata/20231222houshin.html
4) 日本学術会議「日本学術会議第26期アクションプラン骨子(案)」(2023年12月9日)
https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/sokai/siryo190-5.pdf