The 133rd Annual Meeting of the Japan Prosthodontic Society / The 14th Biennial Congress of the Asian Academy of Prosthodontics (AAP)

Presentation information

Oral Presentation

On-site

Oral Presentation 7
Implantology, Biology

Sat. Jul 6, 2024 4:30 PM - 5:00 PM Room 3 (Makuhari Messe International Conference Hall 2F 201)

Chair: Yoshiyuki Hagiwara (Nihon University)

[O1-19] The study of a new prevention method for peri-implantitis using silver ion coating

*Ryutaro Ito1, Yusuke Taniguchi1, Tadahiro Kashiwamura1, Nao Taniguchi2, Kae Kakura1, Hirofumi Kido1 (1. Section of Oral Implantology,Department of Oral Rehabilitation,Fukuoka Dental College, 2. Department of Preventive and Public Health Dentistry,Fukuoka Dental College)

[Abstract]
【目的】
 ナノ銀粒子は高い静菌性を持つと報告があるが,インプラント周囲炎に対する効果の報告はない.今回,我々はナノ銀粒子を主成分とした義歯用抗菌コーティング剤として市販されているナノ銀イオン水溶液(ピカッシュ®︎,ピカッシュ社,熊本)を上部構造表面にコーティングし,インプラント周囲組織における歯周病原菌への静菌作用とそれによる口臭抑制効果について検討した.
【方法】
 当科にてメンテナンス中の患者9名の上部構造に対して,mGI,官能検査と臭気計測器(ニオイセンサ,I-PEX,京都)による臭気分子検出を行い,滅菌精製水で超音波洗浄を行った.それに加え,ナノ銀イオンコーティング(以下,コーティング)を行った.3ヶ月後に2回目の計測を行い,これを実験群とした.また,コーティングを行わなかった10名を対照群とした.ポジティブコントロールとしてインプラント周囲炎患者8名にmGIを行い,除去したインプラント体の官能検査を行った.ネガティブコントロールとして装着前のチタンベース上ジルコニアクラウンの官能検査と臭気分子検出を行った.官能検査スコアの比較にはt検定を用いた.また,臭気計測器によって検出した臭気分子の変化を主成分分析にて評価した.
【結果と考察】
 官能検査結果では,対照群と実験群において,1回目では官能スコアはそれぞれ2.76±1.37と2.16±1.16,2回目ではそれぞれ2.49±1.23と1.82±1.42であった.両群とも1回目と2回目の間に有意差を認めなかった.官能コメントは,両群とも2回目の方が1回目より不快と感じるコメントは減少し,実験群の2回目では発酵臭に変化していた.主成分分析結果では,対照群では1回目と2回目のクラスター分布に変化はなかったが,実験群では1回目に対して2回目のクラスター分布は大きく変化した.さらに,対照群と実験群のクラスター分布において,1回目と2回目をそれぞれ比較すると,2回目のクラスター分布では,実験群は対照群よりネガティブコントロールのクラスター分布に近づいた.
 官能検査結果より,コーティングを行うことは,口臭レベルに変化はなかったが,臭気を発生させる歯周病原菌の種類を変化させることが示唆された.主成分分析結果より,コーティングを行うことは,インプラント周囲組織における歯周病原菌への静菌作用とそれによる臭気抑制効果があることが示唆された.