第50回日本理学療法学術大会

講演情報

ポスター

都道府県士会などの活動研究報告 ポスター10

士会活動1

2015年6月7日(日) 09:40 〜 10:40 ポスター会場 (展示ホール)

座長:山本双一(高知リハビリテーション学院 理学療法学科)

[P3-0866] 診療報酬改定による実態調査結果の比較検討

平成24年度と平成26年度のアンケート調査を踏まえて

竹田紘崇1,2, 千葉哲也1,3, 神山裕司1,2, 藤澤祐基1,2, 友清直樹1,4, 五十嵐麻子1,3, 西村幸子1,3, 菊池佑至1,3 (1.東京都理学療法士協会渉外局医療報酬部, 2.杏林大学医学部付属病院, 3.日産厚生会玉川病院, 4.山王リハビリクリニック)

キーワード:診療報酬, アンケート, 実態調査

【目的】東京都理学療法士協会 渉外局 医療報酬部では,東京都内における理学療法の実施状況を調査し,理学療法が適切に難なく受けられる社会づくりに活用するために,会員の所属する全医療保険施設を対象とし,アンケート調査を実施している。

【活動報告】2025年に向けて改定となった平成24年度と平成26年度の診療報酬改定のアンケート調査結果を比較し報告する。アンケート方法はインターネットによる記入式のみとし,東京都理学療法士会 渉外局ホームページにリンクを貼付した。平成24年度は施設基準,理学療法士数および収益の変動,介護保険機関との連携,13単位廃止に対する意見などについて,平成26年度は上記の質問に加えて,ADL維持向上等体制加算や在宅復帰率などについて,各施設からの回答をSSL暗号化し回収した。

【考察】平成24年度の結果では,急性期,回復期病院では増員,増収傾向がみられ,初期リハビリ加算,早期リハビリ加算の新設や,配置が充実した回復期に対する加算の影響が考えられた。これに対して療養型病院や診療所は減収傾向で,今後の縮小に向けた誘導を背景とした改定の影響が考えられた。13単位の廃止は50施設が妥当でないと回答し,介護保険サービス不足,介護保険適用でない患者のリハビリテーション継続困難が理由の上位に挙がった。療養型病院の多くは在宅復帰が不可能なケースも多いこと,65歳未満で重度の脳障害患者がリハビリテーションを受けられなくなる可能性があることが原因として考えられた。平成26年度のアンケート調査は,10月中旬より実施中であり,抄録に掲載できないため,平成24年度との比較検討は当日の発表とする。

【結論】全医療施設におけるアンケート調査は,今後も継続していくことで,理学療法をどのように提供できているのかを把握することが可能であり,問題点も明らかになるため,理学療法が適切に難なく受けられる社会づくりに役立つと考える。