2018年度人工知能学会全国大会(第32回)

講演情報

口頭発表

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[2A4] 機械学習-深層学習(3)

2018年6月6日(水) 17:20 〜 19:00 A会場 (4F エメラルドホール)

座長:椿 真史(産業技術総合研究所)

18:20 〜 18:40

[2A4-04] 効率的な知識獲得予測に向けた知識の表現方法に関する分析

〇中川 大海1、岩澤 有祐1、那須野 薫1、松尾 豊1 (1. 東京大学工学系研究科)

キーワード:知識獲得予測、深層学習、データマイニング、学習科学、教育

近年,オンライン教育サービスの発展に伴い,知識獲得予測の研究が活発化している.知識獲得予測は,生徒の学習行動ログに基づいて,各生徒が知識をどの程度習熟しているかを予測するものであり,深層学習を活用することで効果的な予測が可能になることが報告されている.こうした深層学習を用いた知識獲得予測の手法の発展は,これまで所与とされてきた「知識」の定義自体も見直す必要性を示唆するものでもある.近年では,知識獲得予測を行う上で効率的な知識タグ自体を,生徒の学習行動から学習する手法が提案されており,機械の予測に基づいた学習内容の個人最適化が普及していく中で,機械にとってより予測しやすい知識表現を設計することの重要性が高まっている.本研究では,知識獲得の予測性を最大化するように学習された知識タグの性質を分析することで,機械にとって予測しやすい知識構造についての分析を行う.実験の結果,学習されたタグは,既存のタグに比べて生徒の問題回答の情報を効率的に表現する構造を獲得していることが確認され,また,既存のタグと組み合わせることでより高い予測性能を発揮する,相互補完的な性質を有することが検証された.