2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)

講演情報

インタラクティブセッション

[4Rin1] インタラクティブセッション2

2019年6月7日(金) 09:00 〜 10:40 R会場 (1F 展示ホール 中央)

09:00 〜 10:40

[4Rin1-36] 畳み込みニューラルネットワークを用いたアナリスト往訪記録における景況感判定

〇高山 将丈1、小澤 誠一1,2、廣瀬 勇秀3、飯塚 正昭3 (1. 神戸大学大学院 工学研究科、2. 神戸大学 数理・データサイエンスセンター、3. 三井住友DSアセットマネジメント株式会社)

キーワード:テキストマイニング、景況感判定、自然言語処理、畳み込みニューラルネットワーク、深層学習

投資家の資金を預かり,その運用を行う運用会社では,投資対象の企業を決定するため,各企業にアナリストがヒアリングして財務状況や将来計画などの情報を収集している.この調査分析結果は往訪記録やアナリストレポートとしてまとめられ蓄積されているが,その量が膨大であるため,たとえ熟練したファンドマネージャであっても,これらから適切な投資判断を導き出すことは容易でない.そこで,本研究では,ファンドマネージャーやアナリストの調査分析にかかる労力を軽減し,企業や業界の景況感判定を適切に行えるようサポートする機械学習システムを提案する.一文書内に極性が混在するアナリスト往訪記録の特性から,可読性と極性揺らぎへのロバスト性をあわせもつと期待される畳み込みニューラルネット(CNN)を用い,往訪記録に対する景況感判定を試みる.三井住友DSアセットマネジメント株式会社から提供された往訪記録に対し,CNNによる極性分類を試みた結果,81.4%の判定精度が得られ,Word2VecやDoc2Vecなどで得られた組み込みベクトルで分類するモデルに比べて5.7%精度が向上した.