2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[4M2-OS-14b] 信頼と納得の人-AIインタラクション

2025年5月30日(金) 12:00 〜 13:40 M会場 (会議室1008)

オーガナイザ:福地 庸介(東京都立大学),前川 知行(静岡大学),寺田 和憲(岐阜大学),山田 誠二(国立情報学研究所),今井 倫太(慶應義塾大学)

12:20 〜 12:40

[4M2-OS-14b-02] 自己犠牲から社会的つながりへ

ロボットの利他行動が人間の向社会性に与える影響

〇杭 陳琳1,2、塩見 昌裕3、山田 誠二2,1 (1. 総合研究大学院、2. 国立情報研究所、3. (株) 国際電気通信基礎技術研究所)

キーワード:信頼、エージェント、向社会性

本研究は、ロボットの自己犠牲が人間の信頼および向社会的行動に与える影響を探ることを目的としています。これまでのHRIの研究は、トロッコ問題のような道徳的ジレンマに焦点を当てることが多い一方で、本研究では、ユーザーを助けるために自らのバッテリーを犠牲にするといった、実際の場面でのロボットの利他行動に注目しました。30名の参加者を対象とした実験の結果、自己犠牲を示すロボットは、そうでないロボットと比較して、向社会的行動を促進することが明らかになりました。一方で、ロボットの社会的属性に対する認知には条件間で有意な差は見られませんでした。これらの結果は、自己犠牲がロボットの認知を直接的に高めるわけではないものの、人間の協力的な行動を効果的に促進する可能性を示唆しています。本研究は、人間とロボットが共生する社会の実現に向けて、向社会的な相互作用を促進するロボット設計への貴重な知見を提供します。

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