2025年度 人工知能学会全国大会(第39回)

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[4Q3-OS-23] AIによる故人再現の可能性と課題

2025年5月30日(金) 14:00 〜 15:40 Q会場 (会議室804)

オーガナイザ:折田 明子(関東学院大学),斉藤 邦史(慶應義塾大学),佐藤 啓介(上智大学)

15:00 〜 15:20

[4Q3-OS-23-04] AIによる故人再現をめぐる法的・倫理的課題

〇吉永 京子1,2,3,4 (1. 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任准教授、2. ジョージタウン大学法科大学院テクノロジー法・政策研究所ノンレジデント・フェロー、3. 東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員、4. OECD-GPAI専門家委員)

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キーワード:生成AI、死者のプライバシー、倫理

生成AIによって故人の「再現」、「復活」が可能になったが、それは許されるのか。
 国内では「AI美空ひばり」、海外ではAIでマイケル・ジャクソンの姿が生成され、著名裁判官を再現するプロジェクトもある。さらに、米国では親族の生前のデータをもとに故人と会話できるAIサービスが既に存在している。
 法律上、我が国では、著作権法上の権利は死後70年まで保護される。刑法では死者の名誉も一定の場合に保護される。しかし、個人情報保護法上は、原則として保護の対象外である。また、プライバシーの権利も本人のみに帰属し、亡くなれば消滅すると一般に考えられている。
 一方、倫理の観点からは課題はないか。故人はAIが作成したイメージに対して抗弁はできないためイメージが書き換えられるリスクもある。また、アンドロイドで再現される場合はあたかも本人が生き続けているようになるが、そのアンドロイドが故人の社会的役割を担い続ける場合、それは残された家族、組織、社会にとって何を意味するか。
 本パネルでは、海外の事例も見ながら、死者をAIで再現することに関する法的・倫理的課題を取り上げて議論する。

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