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△ [12a-N302-4] 単分子ワイヤ上における錯形成反応の観察と反応性の制御
キーワード:単分子、走査型プローブ顕微鏡、電荷移動錯体
本研究は電気伝導計測に基づき、電荷移動錯体の形成反応を単分子スケールで観察した。試料分子は、電子ドナーに1,4-bis(4-aminophenoxy)benzene (APB)、および電子アクセプタにmethyl viologen (MV)を用いた。結果として、APB単分子ワイヤ上における錯形成および解離を伝導度により識別し、結合定数は20 M−1と求まった。一方、可視紫外吸収スペクトルから溶液中の結合定数は0.56M−1と求まり、単分子ワイヤ上では結合定数は顕著に増加した。これは、二価カチオンであるMVのナノギャップ近傍の濃度が、電気二重層の形成により増加したためと考えられる。