[P1-35] 飼料中繊維含量が搾乳牛のスポット法によるメタン産生量推定値に及ぼす影響
【目的】演者らはメタン(CH4)/二酸化炭素(CO2)比のスポット測定による搾乳牛におけるCH4産生量の推定方法を検討している。本試験ではCH4産生量推定値への飼料中繊維含量の影響について検討した。【方法】6頭の経産搾乳牛(平均分娩後日数96.5日)を3群に分け、各群をNDF含量の異なる基礎混合飼料(PMR)を給与する低NDF区、中NDF区あるいは高NDF区(それぞれ乾物ベースで、31.6, 37.0および47.1%)に割り当てる1期21日間よりなるラテン方格法で試験を実施した。PMRは自由摂取とし、搾乳ロボット内での呼気中CH4およびCO2濃度測定からCH4/ CO2比を求め、CH4産生量を算出した。【結果】乾物摂取量および乳生産量に試験区間差はなく(それぞれ平均26.0 kg/日、37.7kg/日)、乳成分では乳脂率が低、中および高NDF区の順で高くなった(それぞれ、3.4, 3.5および3.7%)。反すう胃液の酢酸/プロピオン酸比は低、中および高NDF区の順で高くなった(それぞれ、2.7, 3.6および4.2)。CH4/ CO2比および乾物摂取量当りCH4産生量は低、中および高NDF区の順で高くなった(CH4/ CO2比でそれぞれ、0.068, 0.077および0.090; CH4産生量でそれぞれ、19.7, 20.8および24.4 L/kg)。