The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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[ODP22] 5. Pathogenicity -b. Toxins, effectors and physically active substances

[ODP-127] Response of human macrophage-like cells to pore-forming toxin produced by S. mitis clinical isolate

Momoka Kubo1, Atsushi Tabata1,2, Takuya Ikeda1, Toshifumi Tomoyasu1,2, Hisashi Ohkuni3, Hideaki Nagamune1,2 (1Div. Bioresour. Sci., Grad. Sch. Sci. & Tech. for Innov., Tokushima Univ., 2Div. Biosci. & Bioindust., Grad. Sch. Tech., Indust. & Soc. Sci., Tokushima Univ., 3Health Sci. Res. Inst. East Japan Co. Ltd.)


【目的】川崎病患児から単離されたStreptococcus mitis(SM)のNm-65株は,コレステロール依存性細胞溶解毒素(CDC)ファミリーに属し5ドメイン構造を持つSM由来ヒト血小板凝集因子(Sm-hPAF)を産生する.Sm-hPAFは溶血活性や細胞傷害性を示すが,in vivoで想定されるような低濃度域における細胞への影響は不明な点が多い.そこで本研究では,準細胞致死濃度(SubLC)のSm-hPAFがヒト細胞に及ぼす影響について検討を行った.
【方法】ヒト単球系白血病細胞株THP-1を被検細胞とし,ホルボールエステル処理によりマクロファージ様に分化させた.これにSubLCのSm-hPAFを作用させ,複数の炎症関連遺伝子の発現変動をリアルタイムRT-PCRで検討した.
【結果と考察】SubLCのSm-hPAFを1時間作用させた細胞では,炎症性サイトカインTNF-αやケモカインMIP-1βの有意な発現上昇が確認された.このように,顕著な細胞死を起こさないレベルの数しか膜孔を形成しない低濃度のSm-hPAFの作用で炎症関連遺伝子の発現変動が生じたことから,in vivoでも低濃度のSm-hPAFで炎症反応が惹起されることが示唆された.なお,同じく川崎病患児由来SM分離株のNm-76株が産生し,Sm-hPAFと高い相同性を示すが別遺伝子にコードされる5ドメイン型CDCでは,これまでにヒト細胞と分子両端での二元的な結合性が示されている.このような特殊な結合特性は通常のCDCとは異なる細胞応答を引き起こす可能性が考えられ,Sm-hPAFに関しても検討を進めている.