The 95th Annual Meeting of Japanese Society for Bacteriology

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Workshop

[W7] Workshop 7
Decoding various infectious diseases from cases

Thu. Mar 31, 2022 1:05 PM - 3:05 PM Channel 1

Conveners: Tadasuke Ooka(Kagoshima University), Noriko Konishi(Tokyo Metropolitan Institute of Public Health)

[W7-5] Four cases of Shigella outbreaks in Tokyo, Japan, 2018

Maho Kawamura, Kou Murakami, Asuka Ono, Noriko Konishi, Keiko Yokoyama, Kenji Sadamasu (Dept. Microbiol., Tokyo Metro. Inst. Pub. Hlth.)

東京都では,2018年10月から12月にかけて赤痢菌による複数の集団感染事例が発生した.これらは比較的短期間に発生しており,共通の感染源が疑われた.そこで分離株を対象に分子疫学解析等を実施し関連性及び細菌学的特徴を明らかにしたので,事例の概要とともに報告する.事例1:10~11月にA保育園の園児28名,職員4名,園児家族4名の計36名から赤痢菌が検出された.特定のクラスに症例が集中していることから,食中毒は否定された.事例2:11月~翌年1月にB幼稚園の園児22名,園児家族4名の計26名から赤痢菌が検出された.給食及び施設のふきとり,調理従事者から赤痢菌は検出されなかった.事例3:12月にC幼稚園の園児4名,教員1名の計5名から赤痢菌が検出された.このうち園児2名はモロッコへの渡航歴が認められた.事例4:10月,他県の宿泊施設で提供した惣菜が原因と推定される細菌性赤痢の食中毒事例が発生した.都内でも3名の感染が確認された.分離株はいずれの事例でもS. sonneiであったが,供試した11薬剤に対する耐性数は5薬剤(事例1),7薬剤(事例2),3薬剤(事例3),1薬剤(事例1)と事例間で異なっていた.更にPFGEパターンも事例間で異なっていたことから,それぞれ別々の感染源が原因と考えられた.分離株の薬剤耐性パターンや分子疫学的手法を用いた疫学解析は,集団例の相互関係や汚染源の推定において非常に有用であった.事例1及び2では初発患者の感染経路は不明であったが,海外との接点により感染が起こった可能性も考えられた.また事例3は外国人向けの幼稚園であった.今後,新型コロナウイルス感染症の収束後には更なる国際化が推測されることから,一層の感染対策が必要である.