[JSY3-3] 高齢者の熱中症の臨床的特徴、予後因子、転帰
【 ライブ配信】
背景:地球温暖化と本邦の高齢化に伴い、高齢者の熱中症患者が増加している。しかし高齢者の熱中症の臨床的な疫学(臨床的特徴、予後因子、転帰)を検討した多施設研究は少ない。目的:高齢者の熱中症患者の臨床的特徴、予後因子、転帰を明らかにすること。日本救急医学会Heatstroke STUDY2010,12,14の熱中症患者のうち、以下の1か2か3を満たす患者を対象とした(1:GCS<=14、2:Cre>=1.2mg/dL or T-bil>=1.2mg/dL、3:急性期DICスコアー(急性期DIC診断基準)>=4点)。年齢64歳以下の304名を除外した。結果:合計401名であった。平均年齢79(73-85)歳、男性228(57.1%), 来院時までの最高体温40.0(38.8-41.3)度であった。発症時の日常生活レベルは、120名(31.8%)の患者がなんらかの障害を併発していた。多変量解析の結果、来院時GCS, とともにDICの有無[(オッズ比(OR) = 2.67, 95% 信頼区間(CI): 1.13-6.47; p = 0.025]が予後因子として導かれた。日常生活レベルは有意な因子ではなかった(p=0.396). 院内死亡症例は31名(7.7%)であった。結論:高齢者の熱中症患者においては、約1/3の割合でなんらかの日常生活に置ける障害を持っている。DICの有無は高齢者熱中症患者の予後因子である。