第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

呼吸 研究

[O153] 一般演題・口演153
呼吸 研究05

2019年3月3日(日) 08:45 〜 09:35 第15会場 (国立京都国際会館1F Room H)

座長:相嶋 一登(横浜市立市民病院臨床工学部)

[O153-4] HFNC装置に対する医療機器用無停電電源装置による駆動の試み

梶原 吉春, 石高 拓也, 片瀬 葉月, 佐藤 広隆, 中島 義博 (社会医療法人財団 大和会 東大和病院 臨床工学科)

【目的】
早期離床や早期からの積極的なリハビリテーションにより退院時のBarthel Indexおよび機能的自立度が有意に改善すると報告され、人工呼吸器やNPPVを装着した状態でのリハビリテーションも行われている。さらに近年では呼吸管理目的でHFNCの使用が増加しているが、バッテリーを搭載した装置はない。しかし、早期リハビリテーションでのHFNCの使用やHFNCを装着した状態で患者移動したいとの要望があるため、医療機器用無停電電源装置(以下UPS)を付属させHFNCの動作時間を調査したので報告する。
【方法】
HFNC装置にAirvo2(Fisher&paykel社製)、UPSにREMiO1kVA(ニシム電子工業社製)を使用した。HFNCの設定は、温度37℃・流量50L/分・酸素濃度21%・カニュラサイズMとした。UPSは24時間充電した状態からHFNC装置の電源が切れるまでの時間を測定した。また、UPSからの出力電力の負荷レベル(LOAD)を測定した。出力電力の負荷レベル(LOAD)はLEDにより5段階で表示している。1目盛≧10%・2目盛≧30%・3目盛≧50%・4目盛≧70%・5目盛≧90%である。測定環境温度は24.2±0.55℃であった。
【結果】
UPSでの稼働時間は77.3±3.2分であった(n=10)。出力電力負荷レベルは電源を立ち上げてから切れるまでの時間帯で10%以下(LED目盛:1)であった。
【結論】
UPSによるHFNCの稼働時間は離床やリハビリテーション、院内の移動を実施するには十分な時間であることが示唆された。しかし、UPSを空の状態まで使用した場合は、満充電までに24時間の充電時間が必要なため、複数のリハビリテーションを実施する場合は、UPSの使用時間の管理とバッテリーインジケータを確認しながらの作業が必要である。UPS稼働時間と同様に酸素ボンベの使用時間を考慮しなければ酸素切れを発生させてしまう可能性が考えられる。
【結語】
医療機器用無停電電源装置REMiO1kVAはHFNC装置Airvo2を作動させることができる装置であった。