第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

新生児・小児 研究・経験

[O162] 一般演題・口演162
新生児・小児 研究・経験02

2019年3月3日(日) 10:05 〜 10:55 第17会場 (国立京都国際会館2F Room J)

座長:辻尾 有利子(京都府立医科大学附属病院 看護部 PICU)

[O162-5] 心臓外科術後7日目における小児せん妄はその1週間後のPICU在室を予測する

松石 雄二朗1, 星野 晴彦1,2, 下條 信威3, 榎本 有希3,4, 城戸 崇裕3,4, 飯田 育子2, 井上 貴昭3 (1.筑波大学大学院 人間総合科学研究科 疾患制御医学専攻, 2.筑波大学附属病院 看護部, 3.筑波大学 医学医療系 救急・集中治療医学, 4.筑波大学 医学医療系 小児科学)

【目的】 近年小児せん妄に関する関心が高まっており、小児せん妄は急性の脳機能障害であるという認識が確立しつつあるが、意識状態を観察することに臨床的意義があるかについては未だ議論がある。我々は心臓外科術後7日間の意識状態を観察することが、それぞれの観察日のその後1週間の小児集中治療室(PICU)在室の予測につながるのではないかと考えた。【対象と方法】2017年6月から2018年4月の小児心臓血管外科術後患者を対象に手術当日から手術後7日間にかけて鎮静スケールであるSBS、せん妄スケールであるCAPDを評価した。それぞれの測定した日付から1週間後のPICU在室予測可能性をアウトカムとした。(術後0日目の場合は術後7日目の在室を予測、術後7日目の場合は術後14日目の在室を予測) それぞれのアセスメントツールの推奨に従ってSBS:-2以下を昏睡状態、CAPD:9点以上をせん妄と定義した。また、昏睡状態でも、せん妄状態でもない患者を非せん妄・非昏睡状態と定義した。【結果】期間中対象患者は47名であった。感度に関して昏睡は、術後7日目にかけて徐々に感度が低下し、せん妄に関しては術後7日目にかけて徐々に感度が上昇した。そして、非せん妄・非昏睡状態に関しては感度0から0.2で不変であった。特異度に関して昏睡は術後7日目にかけて徐々に上昇し、せん妄に関しては術後7日間を通して特異度0.8から0.6の間で不変であった。そして、非せん妄・非昏睡状態に関しては術後7日目にかけて徐々に低下した。全観察を通して術後7日目のせん妄状態のその後1週間への在室予測が最も感度、特異度が高かった。(感度0.81、特異度0.69)【結論】心臓血管外科術後の小児では、術後7日目にせん妄状態が認められれば、その1週間後のPICU在室が高率に予測される。