第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

呼吸 研究

[O82] 一般演題・口演82
呼吸 研究01

2019年3月2日(土) 08:45 〜 09:35 第10会場 (国立京都国際会館1F Room C-1)

座長:戎 初代(公益社団法人地域医療振興協会東京ベイ・浦安市川医療センター看護部)

[O82-2] 人工呼吸器離脱前評価表導入の効果の検討

薄葉 恭至, 大瀧 一幸, 小山 浩司, 片山 雪子, 佐藤 美智, 金内 直樹, 渡辺 光 (日本海総合病院 呼吸サポートチーム)

【背景】再挿管症例はICU滞在日数や入院期間の延長、死亡率の上昇など患者の予後を悪化させる。A病院RSTでは24時間以内の早期再挿管症例14例を検証し、人工呼吸器離脱前評価表(以下、評価表)を導入した。【目的】評価表導入後の再挿管症例を後方視的に検証し、その要因と評価表の効果を検討する。【方法】期間:2017年6月から2018年3月 対象患者:A病院ICUで人工呼吸器管理した症例202例のうち、再挿管に至った症例4例(2.0%)。方法:再挿管症例の要因、経過を看護記録、診療記録から後方視的に調査した。また評価表の判定内容を調査した。【倫理的配慮】本研究は個人情報保護を厳守し、A病院倫理委員会の承認を得ている。【結果】ICUで人工呼吸器管理した症例202例のうち、72時間以内の再挿管症例は4例であり、すべてが24時間以内の早期再挿管症例であった。当該症例4例の内訳は、男性1名、女性3名、年齢56-74歳(中央値71.5歳)であった。ICU入室理由は、急性心筋梗塞ステント内閉塞1例、有機リン中毒1例、急性大動脈解離(Stanford A型)再開胸術後2例であった。また入院期間63-93日(中央値53.5日)、ICU滞在日数10-34日(中央値25日)、挿管期間2-19日(中央値7.5日)であった。抜管後のNPPV使用3例、HFT使用なし。抜管後、再挿管までの時間は35-780分(中央値197.5分)であった。最終的に気管切開術施行となった症例3例、死亡症例はなかった。再挿管の要因としては、心原性肺水腫、CO2ナルコーシス、喉頭浮腫、喀痰排出困難であった。再挿管症例ではいずれも評価表の基準値を満たさない項目があり、4例すべてでカフリークテストは実施されていなかった。【結論】評価表導入後の再挿管症例4例はすべて24時間以内の早期再挿管であった。評価表の導入によって早期再挿管すべてを予防できたわけではないが、基準値を満たさない項目が再挿管の要因となる可能性があり、評価表の遵守が重要であることが示唆された。