第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

RRS

[P44] 一般演題・ポスター44
RRS

2019年3月2日(土) 11:00 〜 12:00 ポスター会場3 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:須賀 将文(神戸市立医療センター中央市民病院)

[P44-4] 当院におけるMedical Emergency Team導入1年間の活動

岸川 洋昭1, 新井 正徳2, 山本 剛3, 吉井 久美4, 清水 渉3, 横田 裕行2, 坂本 篤裕1 (1.日本医科大学麻酔科学教室, 2.日本医科大学付属病院高度救急救命センター, 3.日本医科大学付属病院心臓血管集中治療科, 4.日本医科大学付属病院 臨床研究総合センター)

【背景・目的】日本医科大学付属病院(877床)では、コードブルー・Rapid Response System (RRS)対応を行うべく、麻酔科・ペインクリニック、救急医学科、心臓血管集中治療科から構成されるMedical Emergency Team (MET)を2017年2月より導入した。導入後1年間のMET活動状況について検討した。【方法】電子カルテより、2017年2月1日から2018年1月31日までにMET要請のあった症例を対象とした。症例をEmergency Call (EMC: 医療従事者からの心肺停止およびそれに準じた病態へのMET要請、非医療従事者からの要請)群とRRS群に分け、患者背景、要請状況につき比較検討した。統計は、カイ二乗検定、Mann-WhitneyのU検定を用いた。【結果】1年間のMET要請症例数は66例であり、EMC群36例、RRS群30例であった。患者年齢はEMC群72歳(中央値)、RRS群75歳であり、男女比および入院科に群間差はなく、両群とも入院背景疾患として悪性腫瘍が多かった。要請理由として、EMC群では心肺停止、RRS群では意識障害が多かった。National Early Warning Score (NEWS)は、EMC群10点(中央値)・RRS群6点であり、有意にEMC群で高かった(p=0.017)。依頼現場到着時間は、EMC群4分(中央値)・RRS群 10分であり、EMC群で有意に早かった(p<0.0001)。両群とも、依頼者は看護師が多く、依頼時間帯・依頼場所の多くは両群とも日勤帯・病棟であり、外来・処置室からの要請もEMC群 で25%・RRS群で23%を占めた。EMC群の58%・RRS群の53%にcritical care 部門への転床を要し、28日死亡率は、EMC群50%・RRS群33%であった。【結語】当院におけるMET導入後1年間の活動状況について検討・報告した。NEWS・現場到着時間より、要請依頼する側の重症度判定(EMCまたはRRS起動の選択)、MET側の対応は妥当であったと考える。今後は、MET活動をさらに院内に周知させ院内重篤有害事象の減少を目指したく考える。