第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

RRS

[P44] 一般演題・ポスター44
RRS

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場3 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:須賀 将文(神戸市立医療センター中央市民病院)

[P44-3] RRS構築に向けて 看護師主導のRRSの取り組み

稲波 享子, 山中 真知子, 杉原 純子, 五十嵐 佳奈, 糀谷 枝美 (京都第一赤十字病院)

【はじめに】当院のコードブルーシステムは年間20症例前後で推移してきたが、2016・2017年と年間40症例と増加傾向にあった。コードブルー検証部会での症例検証において、数時間前から急変の徴候を認めているが、異常に気づいていない、また気づいていても適切に対応できていない現状があった。近年 RRSへの関心が高まり体制の導入の機運が高まっている。しかし、当院の現状からRRSを導入しても、ベットサイドにいる看護師が異常に気づけず、RRSを要請してもらえないことが予測された。【方法】RRS構築に向けては、ベットサイドにいる看護師が、異常に気づき判断できる能力を高めることが必要であると考えた。そのため、急変徴候の認識と異常時の対応ができることを目的に、急変徴候(仮:RRS要請基準)を作成した。患者がRRS要請基準に該当する場合、リーダー看護師や師長、主治医へ報告するよう、師長会とクリティカルリーダー会を通して全看護師に指導した。また、集中ケア・救急看護認定看護師が主導となるRRSを、輪番制で平日日勤帯のみ2部署で試行した。RRS要請基準に該当する患者の相談依頼を受けた場合、認定看護師が病棟に出向き、患者の状態把握を行い、ICU医師に報告した。ICUへの入室の適応を検討し必要時はICUに入室とした。入室の必要性がなければ、モニタリングや経時的な観察を指導し、随時病棟ラウンドを実施した。【結果】RRS試行開始1年間で、11件相談を受け、そのうちICUに4症例が入室となった。ICUに入室しなかった7症例の患者は、RRS要請基準に該当する前兆を認めていた患者が4症例、要請基準に該当しない患者は3症例で、いずれも重症化することなく病棟で経過観察となった。また、ICU予定外入室患者(緊急手術は除く)の看護記録を調査分析したところ、急変徴候を捉え、医師への報告ができ、主治医からICUへ申し込みがあった予定外入室患者59症例の内、RRS要請基準に該当する前兆を認めていた患者は62.7%であった。【結語】予定外入室患者の約半数は、RRS要請基準に該当する前兆を認めているため、その前兆の時点でRRSが早期に発動できるようスタッフ教育を含め周知、介入していくことが必要である。医師を主導としたRRS(MET)の導入を検討中であるが、看護師で対応できる事案もあり、気軽に相談できるシステムも平行して構築していくことが今後の課題である。