第46回日本集中治療医学会学術集会

Presentation information

一般演題(ポスター発表)

RRS

[P44] 一般演題・ポスター44
RRS

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 12:00 PM ポスター会場3 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:須賀 将文(神戸市立医療センター中央市民病院)

[P44-2] 当院におけるRapid Response System導入後の取り組みと効果

宇野 翔吾, 國井 五月, 奈良場 啓, 富岡 真紀子 (株式会社日立製作所 日立総合病院 MET分科会)

【背景】 2014年5月よりRapid Response System(以下、RRS)を導入し、Code Blue System(以下、CBS)を含め、その全件でMedical Emergency Team(以下、MET)が対応している。RRSを導入した2014年5月から2018年4月までの4年間において、システムを起動する側の関心向上に向けた取り組みにより、出動件数や病院全体の考え方が変化してきている。
【目的】 導入後4年間の実績とRRS導入以降に実施した取り組みと効果について報告する。
【結果・考察】 RRSを成功させるための4つのコンポ―ネントから、当院で取り組んできた活動について紹介する。1)起動要素では、4年間のRRS出動件数は192件であった。2017年度には、CBSが減少し、RRS出動件数は導入時の11件から110件を超えるまでになっている。予期せぬICU入室件数は、RRS出動件数増加に伴い年々増加傾向にある。2)対応要素では、気づきに関する教育コースとして病院認可の元、HITACHI-First Rapid Responseコースという名称で2015年8月から導入した。このコースでは、受講後の理解度が100%を得られている。2018年4月には、シミュレーション管理センターも設立した。センター化により、院内の全教育コースを管理するだけでなく、より臨床に合った環境下でのシミュレーション教育が可能となった。看護救急分科会においても、教育だけでなく、症例検討なども行っている。3)システム改善要素では、RRS/CBS要請された患者のうち、重篤有害事象症例に対して、医療安全側、要請者側(主治医・担当医も含む)、MET側の三者でデブリーフィングという名の“RRSカンファレンス”を導入した。ここでは、METの対応や記録からは見えなかった要請側の考え方や、取り組みなども共有できるようになり、共通認識のできる関係を作ることが可能となった。RRSカンファレンス導入は、新たな取り組みの検討や現システムの発展、教育の仕方などにも影響を与えている。4)指揮調整要素では、2017年度に医療事故防止安全委員会の傘下に、「MET分科会」を設立し、医療安全的視点での介入を行っている。RRSを今まで以上に組織的に行うことで、根拠を持って介入するだけでなく、RRSに関わる全ての職員に対し、患者急変予防に対する行動変容を促すには効果的である。
【結論】 この取り組みにより、CBSを低減させRRS件数増加させることによって急変を未然に防ぎ、予期せぬ院内心停止や死亡の低減にも繋がっている可能性がある。