第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

RRS

[P44] 一般演題・ポスター44
RRS

2019年3月2日(土) 11:00 〜 12:00 ポスター会場3 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:須賀 将文(神戸市立医療センター中央市民病院)

[P44-6] 院内心肺停止症例からRRS起動を見直す

大内 謙二郎1, 伊藤 次郎1, 川上 大裕1, 永田 一真2, 植田 浩司1, 下薗 崇宏1, 富井 啓介2, 美馬 裕之1 (1.神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科, 2.神戸市立医療センター中央市民病院 呼吸器内科)

【背景】院内心肺停止(CPA)の発生頻度は入院患者の0.03%程度と言われているが、発生するとその予後は著しく悪い。院内CPAの多くは、発生の8時間前までに観察可能な前兆を呈していると言われる。院内発症の急変を未然に防ぐことを目的に近年Rapid Response System(RRS)という概念が提唱されているが、RRS導入により院内CPAの減少を示した大規模RCTはない。当院においても2014年度からRRSを導入し起動件数は年々増加傾向にあるが、CPA call件数は減少していない。CPA call症例でRRSを起動できていない可能性がある。【目的】CPA call症例からRRS起動率を調査する。RRS起動されなかった症例の中で、現行のRRS起動基準を元にRRS早期介入できる症例がどの程度いたのかを調査する。【方法】ICU/HCU外の病棟に入院中の患者でCPA callに至った成人症例を対象とした。期間は当院でRRS導入を開始した2014/4月から2018/3月までとし、24時間以内のRRS起動の有無を調査した。RRS起動されなかった症例のうち、CPA callの8時間前までに現行のRRS起動基準を満たしていた症例と満たしていなかった症例に分け、前者をRRS早期介入可能群とした。後者の中でRRS起動基準となるバイタルサイン(VS)の何かしらの確認漏れがあった症例を介入予備群とした。【結果】上記期間中の院内CPA call症例は86例で、対象は77例(86例中、7例は外来患者、2例は小児患者)であり、全例で24時間以内のRRS起動はされていなかった。RRS早期介入可能であった症例が28.6%(22/77)であった。介入予備群は49.4%(38/77)であった。【結論】CPA call症例において、24時間以内にRRSを起動していた症例はなかった。その中の約3割の症例でRRS早期介入の可能性が示唆された。またVSを漏れなく確認することで早期介入可能な症例がさらに増加することが期待される。