第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

家族支援

[P49] 一般演題・ポスター49
家族支援

2019年3月2日(土) 11:00 〜 11:50 ポスター会場8 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:川上 悦子(長崎大学病院看護部)

[P49-1] 心臓血管外科患者の状態変化による家族の心理的変化

山下 浩美, 屋久 晨代, 崎原 美礼, 前原 江甫子, 窪田 美穂子, 川畑 美賀 (鹿児島大学病院 集中治療部)

【背景】当院集中治療室に入室する患者は重篤化・長期化している患者も多く、家族からは流涙、不眠の訴えに加え悲観的な発言が聞かれることもある。特に開心術後は厳密な循環・呼吸管理が必要であり、手術直後は深い鎮静状態にある。そのため家族は術後の面会時に患者と疎通を図ることができない。さらに術前からの心機能の低下や人工心肺使用による侵襲も影響し、術後合併症が起きやすい状態にあるため回復が遅延する例もある。そのような経過もある中で、家族の心理的変化には、患者の状態が関係しているのではないかと考え、詳細に調査したいと考えた。予定入室の心臓血管外科患者の状態の変化により、家族にどのような心理的変化が生じるのかを知るためにCNS-FACE2の分析結果と患者状態の結果の関連性を検証する。【目的】予定入室の心臓血管外科患者の状態の変化により、家族にどのような心理的変化が生じるのかを知るために、CNS-FACE2の分析結果と、患者状態の結果の関連性を検証することで、早期からの適切な家族介入が行える。【方法】研究デザイン:観察研究 対象患者:ICUに入室する開心術を行う心臓血管外科患者・家族主要評価アウトカム:CNS-FACE2【結果】ICUへ入室し開心術を行った心臓血管外科患者の調査総数は27名であった。ICU入室全患者のCNS-FACE調査は、情報・接近のニードが高値であったが全体的に変動は少なかった。しかし、ICU入室7日以上の家族を調査すると、安楽・安寧のニードと情緒的サポートのニード、情動的コーピングは低めで変動は少なかったが、情報、保証、接近のニードは常に高値であり、11回目の面会からは全ての項目が上昇していた。患者状態をχ2検定で分析した結果は、8回目面会在院日数で有意差があった。【結論】ICU入室7日以上経過した患者は、入室した時点から重症であることが多く、初回から情報、保証、接近のニードを求めている。また、情報・接近・保証のニードは病日を経る毎に上昇する傾向にある。ICU在院期間は初回面会時から情報・患者に接近できる機会の提供、家族が安心できるような声かけを行っていくことが家族の不安の緩和に有効かもしれない。面会8回目の在院日数で有意差があったが、9回目以降は有意差がなく、データ数も少なく、関連性があるとはいえない為継続して調査を行う。