第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

検査法・モニタリング

[P60] 一般演題・ポスター60
検査法・モニタリング01

Sat. Mar 2, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場19 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:渡海 裕文(兵庫県立淡路医療センター 麻酔科)

[P60-6] 自動カフ圧コントローラSmart Cuffの性能評価

中本 皓太1, 岸本 和昌1, 藤井 清孝1, 桜井 稔泰2 (1.神戸市立西神戸医療センター 臨床工学室, 2.神戸市立西神戸医療センター 呼吸器内科)

【背景】気管チューブのカフは、人工呼吸時のエアリークを防ぎ、且つ口腔内分泌物や吐物などが気管内に垂れ込まないようにする誤嚥防止の役割がある。カフは経時的な自然脱気に加え、体位変換や気管吸引の刺激でも変動するため、定期的なカフ圧調整が必要である。その調整に使用する機器には、手動で行うものと自動調整できるものがある。手動のカフ圧計は人の手で微妙な圧設定をしなければならず、手技によりカフ圧のバラツキが大きい。また、常に適切なカフ圧を自動調整できる既存品は、比較的大きく高額であることが問題となる。経済産業省は医工連携等により、医療現場のニーズに対応した医療機器等の開発・実用化を推進している。自動カフ圧計の小型且つ安価であることにニーズがあり、本製品は臨床工学技士との課題解決型の提案により開発された経緯がある。【目的】医工連携で開発された村田製作所社製 自動カフ圧コントローラSmart Cuffは、臨床現場で働くスタッフにどういう評価を得るのか確認すべく、Respiratory Support Teamで臨床工学技士による性能評価、理学療法士による臨床評価、看護師による使用評価を行った。今回は性能評価について報告する。【方法】気管模型に気管チューブを設置し、カフ圧を圧力センサ及びデータロガー(キーエンス社製)に接続しカフ圧の変動を測定した。これをSmart Cuffと他社の自動カフ圧計2機種で比較検討した。また、手動カフ圧計と自動カフ圧計の接続手技によるカフ圧の低下の差異を検証した。【結果】圧変動に対する応答性は自動カフ圧計の機種の違いにおいて差異は認められなかった。さらに手動カフ圧計で接続した場合、自動カフ圧計よりも接続手技によるカフ圧の低下が認められた。【結語】接続手技による圧力低下はSmart Cuffでも瞬間的に認められたが、手動カフ圧計と比べ自動でカフ圧を補正でき、且つ圧力調整の応答性が早いため、臨床で問題となる分泌物の垂れ込み防止に自動カフ圧計が有用であると示唆される。また、Smart Cuffは他社製品と比べ小型であることから携帯しやすく、カフ圧が変動する多種多様な場面で使用しやすい。例えば在宅介護分野などにおいてスタッフが簡便に持ち運び出来るため自動カフ圧計を使用でき、リハビリ時などカフ圧が気管内で変動しやすい場面でも自動調整しながら施行できる利便性がある。そのため今後多くの分野で活用できる可能性がある。