第46回日本集中治療医学会学術集会

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一般演題(ポスター発表)

感染・敗血症 症例

[P7] 一般演題・ポスター7
感染・敗血症 症例01

Fri. Mar 1, 2019 11:00 AM - 11:50 AM ポスター会場7 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:曽我部 拓(大阪医療センター)

[P7-6] エンドトキシン値の再上昇を認めたが2回のエンドトキシン吸着療法が有用であった敗血症性ショックの2例

久場 良也1, 島袋 泰1, 釜野 武志1, 嘉手苅 由梨1, 高橋 有里恵1, 太田 沙也加1, 菅谷 明子2 (1.社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院 麻酔科, 2.社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院 血液浄化部)

【はじめに】エンドトキシン吸着療法(以下PMX-DHP)施行後にエンドトキシン値(以下Et値)の再上昇を認めたが、2回のPMX-DHP施行によりショックから離脱できた2症例を経験した。【症例】症例1は80代男性。S状結腸捻転再発に対する、大腸カメラ施行中に穿孔し緊急手術となった。症例2は80代女性。便秘症に対する浣腸後に穿孔し緊急手術となった。2例とも術中より敗血症性ショックに陥ったため、術後直ちに症例1はPMX-DHPと持続的血液濾過透析(CHDF)を直列で施行し、症例2はPMX-DHP終了後にCHDFを施行した。【治療経過】症例1は1回目のPMX-DHP施行で血圧は僅かに上昇したが、呼吸状態は悪化した。2回目のPMX-DHP施行により血圧は上昇、呼吸状態も安定し、ショックから離脱した。この間にカテコラミンインデックス(以下CAI)は40→45→38→20→7、Lactateは4.0→4.7→4.4→3.9→3.5mmol/L、P/F比は440→380→235→215→265と変化した。Et値は3.3→3.1→27.4→43.2→29.3pg/mLと2回目のPMX-DHP開始前、施行中に再上昇を認めたが、tPAI-1は551→436→416→211→149ng/mLと継時的に改善した。症例2も同様に1回目のPMX-DHP施行で血圧は僅かに上昇したが、呼吸状態は変わらなかった。2回目のPMX-DHP開始前に血圧が低下したが、PMX開始後徐々に血圧は上昇、呼吸状態も安定し、ショックから離脱した。この間にCAIは20→20→38→30→12、Lactateは4.6→4.3→3.0→2.8→2.3mmol/L、P/F比は205→210→230→245→265と変化した。症例1と同様にEt値は0.8→2.2→2.3→3.6→3.3pg/mLと2回目のPMX-DHP前と施行中に再上昇を認めたが、tPAI-1は594→241→149→88→51ng/mLと継時的に改善した。【考察】ショックの遷延やPMX-DHP 1回目終了後の血圧の低下とEt値の再上昇については穿孔部位から血中へのエンドトキシン流出時期と量、PMX-DHP開始時期のタイミングが考えられたが不明であった。しかし2回のPMX-DHPによりショックから離脱できたことから敗血症性ショックに対する有用性が示唆された。