第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

教育

[P74] 一般演題・ポスター74
教育01

2019年3月2日(土) 14:00 〜 14:50 ポスター会場12 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:横山 正尚(高知大学医学部麻酔科学・集中治療医学講座)

[P74-4] 集中治療室における新人看護師の振り返り内容のカテゴリー化の有用性

都志 明日美1, 飯尾 泰子1, 門田 啓1, 岩地道 慶子1, 平岡 有努2, 近沢 元太2, 河田 美由紀1 (1.心臓病センター 榊原病院 看護部, 2.心臓病センター 榊原病院 心臓血管外科 集中治療部)

【背景】新人看護職員研修ガイドラインにより新人教育体制は整備されてきているが、新人看護師の看護実践能力は臨床現場で求められる水準に達していないと看護師臨床研修必修化推進検討委員会からも報告されている。特に集中治療室という高い臨床実践能力の必要な現場で、当院では新人教育プログラム期間は1年間と限定されている。集中治療領域で求められる能力は多岐に渡り、限られた期間で看護実践能力を獲得するために振り返りは重要であり、振り返り内容をカテゴリー化し明確にし、今後の教育プログラムの再構築に生かすことが有用と考えられる。【目的】今後の教育プログラムを発展させるため、現プログラムにおける新人看護師の1年間の振り返り内容をカテゴリー化し明確にすること。【方法】対象は平成29年4月に免許取得後初めて就労する新人看護師5名。対象者の過去1年間の振り返り用紙に記載された内容を抽出し、平成29年4~6月1期、平成29年7~9月2期、平成29年10~12月3期、平成30年1~3月4期に分け、記述された内容を読み取りカテゴリー化した。【結果】各期間における振り返り内容は、以下のようにカテゴリー化された。1期:社会人としての自立と臨床現場における緊張、報告連絡相談、患者との関わりの不足、業務へ慣れることへの困難さ、基礎看護技術習得の難しさ、知識不足、時間管理の難しさ2期:一人で行うことへの自信、一人でできることを増やしたい、患者へ目を向ける、振り返ることの重要性、知識不足、時間管理の難しさ3期:経験を増やしたい、できることへの達成感、ME機器への学習意欲、リーダーへの報告連絡相談、知識不足、時間管理の難しさ4期:メンバーシップを考える、正確な業務を行う、患者をみることの難しさ、自分で考え危険予測・報告を行う、できないことをできることへ変えるための努力、知識不足、時間管理の難しさ【結論】振り返り内容をカテゴリー化することで、1期では仕事を行う上での困難さを感じ、2期ではできることへの自信が芽生え、3期では達成感を感じつつ経験を重ね新しいことへ挑戦する意欲がみられ、4期では個人ではなくチームで仕事を行うことを考えるという過程が明確化され、看護師としても意欲的に成長していることが分かった。心理的には順調な成長をみせる一方、1年間通して常に時間管理の難しさと知識不足に直面しており、それらを補うための教育プログラム再構築が必要であると考えられた。