[P80-7] 当院の救命救急センターにおけるリハビリテーションの課題とは
【はじめに】当院は、静岡県東部に位置する三次救急医療施設で救命救急センターにはICU・CCU・救急病床を含め40床の入院病床を有する。近年、集中治療領域では集中治療後症候群(以下、PICS)が注目されており、当院でもPICSの予防を目指しリハビリテーション(以下、リハ)が早期よりおこなわれている。集中治療室でのリハは日中、理学療法士がベッドサイドに訪室し患者の状態に合わせておこなわれているが、実施に関する看護師のプロトコールはなく理学療法士に任せきりになっている現状があり、リハの必要性や看護師に期待される役割を理解していないのではないかと考え意識調査をおこなった。【目的】リハについて看護師の意識調査から現状を把握し、今後の課題を明らかにする。【方法】救命救急センターのICU・CCU・救急病床に勤務する看護師を対象にリハに関する質問紙調査を実施。【倫理的配慮】質問紙調査の結果は本研究でのみ使用するものとし、個人が特定されないよう無記名でおこなった。【結果】質問紙調査回答数は100名中94名であった(94%)。リハの院内研修・セミナー・独学の経験は68%がないと回答があった。リハをおこなう目的や効果の理解は80%を超え解っている、看護師がおこなうことのできるリハ・役割については70%を超え解っていると回答があった。PICSについてはあまり解らないが、76%と最多であった。看護師自身が日々おこなっているリハについては、ある75%・ない23%であった。あると回答した具体的な内容は、関節可動域訓練・離床・ベットアップ・体位ドレナージ、おこなっているタイミングは、検温時・清拭時・食事時・体位変換時であった。ないと回答した理由は、何をしたらいいのかわからない・どこまでがリハになるのかわからない、どのようにしたらできるのかについては、普段のリハの内容を知る・看護師がおこなってよいリハについて情報共有する・方法を知ると回答があった。【考察】日々のリハは日常生活援助時や検温時に合わせておこなっていることが明らかとなったが、現在それらのプロトコールはなくリスク管理など実践に関するアセスメントは個人のスキル任せであると言える。今後根拠に基づいたケアを提供するために医師・理学療法士と連携したリハプロトコール導入が必要と考えられた。【結論】リハについての意識調査をおこなった。ガイドラインに基づいたプロトコールの導入が課題である。