[P92-5] 酸素ガス配管圧力低下の経験
【背景】
近年、医療技術の進歩や治療内容の高度化、複雑化を背景に集中治療が必要な重症患者が増加傾向にあり、同時に人工呼吸器(以下Vent)はじめ経皮的心肺補助・呼吸補助装置(以下ECMO)、高流量酸素療法装置(以下HF)など酸素ガスを多量に使用する機器の稼動も増加している。
今回、新築した集中治療室(以下ICU)を含む新病棟にて酸素ガス供給圧力の低下警報が発報し、供給圧力が不安定状態下での機器動作の維持と原因解決のために定置式超低温液化ガス貯槽(以下CE)からの酸素供給を停止させる稀な事例を経験したので報告する。
【事例経過】
新病棟は、地上6階地下1階の「包括先進医療棟」として2018年4月にオープンし、ICU14床、新生児集中治療室(以下NICU)10床、Hybrid手術室などの最先端設備を導入した病棟である。事例発生当日はICUにてV-A ECMO 3件、Vent 8件、NICUでVent 5件、HF 3件稼働中であった。まず、NICUで酸素ガス供給圧力低下警報が発報した。次に、1時間程度遅れてICUでも同様の警報が発報し、臨床工学技士(以下ME)に酸素ボンベの準備や機器動作の状況確認の対応要請があった。MEが対応中に供給圧力低下の原因がCEと病棟を繋げている酸素配管内の異物によるものであることが判明し、除去工事のために3時間程度CEからの酸素供給を停止することとなった。供給停止中は業者より供給される7000Lボンベを各病棟に設置し各病棟壁配管より送気をして病棟全体へ供給する方針となった。
【結果】
MEは夜間勤務帯だったため2名で対応を行った。7000Lボンベからの送気開始までは不測の事態に備えて、各病棟の酸素使用量が多い患者から院内にある酸素レギュレーター、酸素ボンベ、二股アウトレットおよび延長配管の設置を行い、すべての患者の安全を確保できる環境を整えた。一連の作業中にトラブルの発生はなく、送気経路の切り替え時、7000Lボンベによる送気時のVent、ECMO、HFの動作に問題はなかった。
【結論】
医療ガス供給のトラブルが発生した場合は、ボンベなどの機材の準備や機器の動作状況を迅速に把握し対応することが重要である。また、不測の事態に備えて日頃から十分な機材を整備しておくことが、患者への影響を最小限にするために必要不可欠である。
近年、医療技術の進歩や治療内容の高度化、複雑化を背景に集中治療が必要な重症患者が増加傾向にあり、同時に人工呼吸器(以下Vent)はじめ経皮的心肺補助・呼吸補助装置(以下ECMO)、高流量酸素療法装置(以下HF)など酸素ガスを多量に使用する機器の稼動も増加している。
今回、新築した集中治療室(以下ICU)を含む新病棟にて酸素ガス供給圧力の低下警報が発報し、供給圧力が不安定状態下での機器動作の維持と原因解決のために定置式超低温液化ガス貯槽(以下CE)からの酸素供給を停止させる稀な事例を経験したので報告する。
【事例経過】
新病棟は、地上6階地下1階の「包括先進医療棟」として2018年4月にオープンし、ICU14床、新生児集中治療室(以下NICU)10床、Hybrid手術室などの最先端設備を導入した病棟である。事例発生当日はICUにてV-A ECMO 3件、Vent 8件、NICUでVent 5件、HF 3件稼働中であった。まず、NICUで酸素ガス供給圧力低下警報が発報した。次に、1時間程度遅れてICUでも同様の警報が発報し、臨床工学技士(以下ME)に酸素ボンベの準備や機器動作の状況確認の対応要請があった。MEが対応中に供給圧力低下の原因がCEと病棟を繋げている酸素配管内の異物によるものであることが判明し、除去工事のために3時間程度CEからの酸素供給を停止することとなった。供給停止中は業者より供給される7000Lボンベを各病棟に設置し各病棟壁配管より送気をして病棟全体へ供給する方針となった。
【結果】
MEは夜間勤務帯だったため2名で対応を行った。7000Lボンベからの送気開始までは不測の事態に備えて、各病棟の酸素使用量が多い患者から院内にある酸素レギュレーター、酸素ボンベ、二股アウトレットおよび延長配管の設置を行い、すべての患者の安全を確保できる環境を整えた。一連の作業中にトラブルの発生はなく、送気経路の切り替え時、7000Lボンベによる送気時のVent、ECMO、HFの動作に問題はなかった。
【結論】
医療ガス供給のトラブルが発生した場合は、ボンベなどの機材の準備や機器の動作状況を迅速に把握し対応することが重要である。また、不測の事態に備えて日頃から十分な機材を整備しておくことが、患者への影響を最小限にするために必要不可欠である。