第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

医療事故訴訟・医療安全

[P93] 一般演題・ポスター93
医療事故訴訟・医療安全02

2019年3月3日(日) 11:00 〜 11:40 ポスター会場11 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:松島 久雄(獨協医科大学埼玉医療センター救命救急センター)

[P93-3] 呼吸ケアサポートチームの活動によるインシデント発生割合の変化:後方視的コホート研究

石井 あや美1, 竹村 知容2, 片岡 裕貴2, 高橋 千鶴1, 荒川 茉由3, 吉田 八重4 (1.兵庫県立尼崎総合医療センター 看護部, 2.兵庫県立尼崎総合医療センター 診療部 呼吸器内科, 3.兵庫県立尼崎総合医療センター 診療部 臨床工学室, 4.兵庫県立尼崎総合医療センター 医療安全対策室)

【背景】近年、呼吸ケアサポートチーム(Respiration Support Team; RST)の活動報告やインシデントを分析し今後の課題を報告している研究は多い。しかし、いずれの研究もインシデント数を報告するのみにとどまり、統計学的手法でインシデント発生割合が減少するかは検討されていない。【目的】日本の市中病院におけるRSTの活動が、酸素療法や人工呼吸器関連のインシデント発生割合の減少に効果をおよぼすか検討すること。【方法】2015年7月から2018年6月までの3年間にRSTの回診を行った患者がいる病棟を対象に、後方視的コホート研究を行った。主要アウトカムはインシデント発生割合で、インシデント発生数/1日あたりの人工呼吸器使用台数と定義した。月毎のインシデント発生割合を年度で分けて平均を算出し、比較に分散分析を用いた。両側検定でp値<0.05を統計学的に有意とした。【結果】月毎のインシデント発生割合の変化をグラフにまとめた。年度別のインシデント発生割合の平均(標準偏差)は、2015年度 1.04(1.05)、2016年度 0.39(0.27)、2017年度 0.29(0.26)、2018年度 0.19(0.06)となり、P値=0.02であった。多重比較では、2015年度との比較で2016年度 p値=0.06 、2017年度 p値=0.03、2018年度 p値=0.13であり、2017年度で有意に減少した。【結論】日本の市中病院において、RSTの活動がインシデント発生割合の減少に効果を及ぼす可能性が示唆された。
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