第46回日本集中治療医学会学術集会

講演情報

一般演題(ポスター発表)

医療事故訴訟・医療安全

[P93] 一般演題・ポスター93
医療事故訴訟・医療安全02

2019年3月3日(日) 11:00 〜 11:40 ポスター会場11 (国立京都国際会館1F イベントホール)

座長:松島 久雄(獨協医科大学埼玉医療センター救命救急センター)

[P93-5] Open ICUからclosed ICUへの移行に伴うICU入室患者数および内訳の変化

川出 健嗣, 野手 英明, 佐藤 航, 細井 麻里, 藤井 靖子, 仲野 実輝, 村松 愛, 杉野 貴彦, 河野 真人, 坪内 宏樹 (一宮西病院 麻酔科・集中治療部)

【背景】一宮西病院麻酔科は、2015年4月1日に4名の麻酔科医(麻酔科指導医1名、麻酔科専門医2名、うち集中治療専門医1名)が赴任し、麻酔科・集中治療部となり、常勤麻酔科医が10名となった。それに伴い、2015年6月1日より、それまでのopen ICUから麻酔科医によるclosed ICUへと運営方式が移行した。その後、2016年4月1日には集中治療専門医研修施設認定を受けた。そして2018年9月1日現在、常勤麻酔科医は16名(麻酔科指導医1名、麻酔科専門医9名、うち集中治療専門医2名)へと増加している。麻酔科医の増加に伴い、手術件数も増加しており、その結果としてICU入室患者数も増加していると予測される。そこで今回、open ICUからclosed ICUへの移行に伴うICU入室患者数およびその内訳に関して調査した。【方法】2012年6月1日から2015年5月31日(open ICU群:O群)および2015年6月1日から2018年5月31日(closed ICU群:C群)において、それぞれの期間内におけるICU入室患者数およびその内訳を、電子カルテおよびICU経過記録を参照に後方視的に検討した。【結果】診療科数およびICU入室患者数は、O群13診療科1734名/3年(6.28名/床/月)、C群16診療科1996名/3年(6.93名/床/月)であり、診療科数およびICU入室患者数ともに増加していた。男性/女性の内訳は、O群1105名/629名、C群1235名/761名で差がなかった。外科系患者数/内科系患者数の内訳は、O群1312名/422名、C群1420名/576名であり、どちらも外科系の患者が多かったが、O群の方が外科系の患者の割合が高かった。各診療科のICU入室患者数は、消化器外科(92人から219人)、整形外科(22人から31人)、耳鼻咽喉科(4人から9人)、泌尿器科(4人から14人)、産婦人科(4人から10人)、循環器内科(352人から464人)、神経内科(6人から28人)、呼吸器内科(23人から33人)、内分泌・糖尿病内科(12人から21人)で増加していた。逆に、心臓血管外科(538人から590人)、脳神経外科(592人から505人)、呼吸器外科(56人から22人)で減少していた。新たにICUに入室するようになった診療科は、乳腺・内分泌外科(18人)、皮膚科(2人)、小児科(6人)であった。【結論】open ICUからclosed ICUへの移行に伴い、ICU入室患者数が増加し、また多くの診療科がICUを利用するようになった。今後もさらに多くの患者を受け入れることで、患者の救命および集中治療専門医の育成にあたっていきたい。