[SY7-4] 循環器系集中治療室における各種モニタリング
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一般的に循環器系のモニタリングとしては、血行動態のモニタリング、心電図のモニタリング、血液検査のモニタリングなどがあげられる。当院集中治療室は、循環器医のみからなるclosed ICUであり、1994年から現在に至るまで循環器疾患を中心とした内科的重症疾患を対象に診療を行ってきた。そこで当シンポジウムでは、循環器系集中治療室で施行しているそれぞれの最新モニタリング状況に関して概要する。1970年代にSwan-Ganz catheterが登場し、肺動脈カテーテル(PAC)による血行動態のモニタリングの重要性が議論されるようになった。しかし、1990年代後半にPACによる重症患者のモニタリングの効果を疑問視する大規模試験が発表されて以降、そのrisk/benefitが議論され、近年は集中治療室でのモニタリングとしては使用頻度が激減した。循環器系集中治療室において、連続的かつ非観血に行える心拍出量モニタリングは非常に重要であるが、現在でも心拍出量を正確かつ連続的にモニタリングするのは困難であるのが実情である。我々の集中治療室ではend-tidal CO2 (ETCO2)と血圧の連続モニタリングに加え、心エコーによる血行動態評価結果を総合的に評価することで心拍出量を推定し、治療方針に生かす試みを行っている。現在の集中治療室におけるETCO2モニタリングの意義について当シンポジウムで概要する。また、連続的な血液検査のモニタリングとは、ラジオメーター装置を使用しての血液ガス、電解質、代謝項目評価が以前から一般的に施行されている。最近はラジオメーター装置を使用して、迅速にHemoglobin値, Craatinine値, CRP値などが評価できるため、それらの指標を連続的モニタリングしている施設もある。また、循環器疾患特有のバイオマーカーである高感度トロポニン値、D-Dimer値、NT-proBNP値も同様に迅速測定が可能となってきている。当集中治療室では、これまでの様々な研究でこれら循環器バイオマーカーを含む採血項目と長期予後との関連を多数報告してきた。循環器系集中治療室でのこうした採血項目測定の意義に関しても概要したい。