第95回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

洗浄評価

洗浄評価1

[55] 内視鏡洗浄における内視鏡洗浄剤の清浄度に関する比較・検討

柴森 直也, 阿部 真也, 野見山 典子, 水田 博士, 竹内 利寿 (大阪医科大学附属病院 消化器内視鏡センター)

【はじめに】
消化器領域での内視鏡検査・治療に用いられる内視鏡の洗浄消毒方法は各関係ガイドラインで定められている.
【目的】
当院では年間約9000件の検査数があり,内視鏡洗浄消毒ガイドラインを遵守した1次洗浄(手洗い洗浄),2次洗浄消毒(高水準消毒)として内視鏡洗浄消毒をおこなっている.今回,内視鏡洗浄剤の比較・検討をおこなったので報告する.
【対象】
対象とした内視鏡洗浄剤は,洗浄剤A 粉末タイプ:弱アルカリ(PH;10.5±0.5)・非酵素洗浄剤B 粉末タイプ:弱アルカリ(PH;10.5±0.5)・酵素洗浄剤C 液体タイプ:中性(PH;7.5±0.5)・酵素洗浄剤D 液体タイプ:弱アルカリ(PH;9.3±0.5)・多酵素内視鏡は汚染度が高いとされるUCT-260(コンベックス型超音波内視鏡)2本を対象とし,評価方法は, ATPふき取り検査A3法(以下ATP法:RLU)と総タンパク質定量測定法(以下μBCA法:μg)を用いた.
【方法】
方法1検査後の1次洗浄前に各洗浄剤を200cc吸引後,鉗子口より蒸留水20ccを流しATP法にて測定・評価した.各洗浄剤10例を対象とした.方法2検査後の各洗浄剤を用いたブラッシングまで含めた1次洗浄後にATP法・μBCA法にて測定・評価した.各洗浄剤15例を対象とした.
【結果】
結果1測定結果をATP:mean±SDとして,洗浄剤を使用しない水だけの吸引では9752.5±1892.5,洗浄剤Aは981±336.3,洗浄剤Bは780.4±413.1,洗浄剤Cは992±206.8,洗浄剤Dは706±450.2であった.結果2測定結果を(ATP・μBCA:mean±SD)として洗浄剤A(125.8±105.3・23.8±8.5),洗浄剤B(166.1±182.5・22.3±6.7)洗浄剤C(243.5±166.4・24.0±8.0)洗浄剤D(74.4±45.9・22.5±8.2)であった.
【まとめ】
各洗浄剤とも内視鏡洗浄剤として有用な洗浄力を有し,各施設に応じた内視鏡洗浄剤を選択し,適切な内視鏡洗浄をおこなうことが重要である.