第95回日本医療機器学会大会

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Symposium

シンポジウム4 材料部のヒヤリハットを話し合おう

座長:江島 豊(東北大学),橋本 素乃(東京医科歯科大学)

[シンポジウム4] ヒヤリとする環境の可視化と改善を目指して

酒井 大志 (越谷市立病院 中央滅菌室・手術室)

【はじめに】
 ハインリッヒの法則(1:29:300)の水面下には,数千の不安全な状態や不安全な行動が隠されている.例えば,製造業での労働災害(休業4日~死傷)の95%が,不安全な状況と不安全な行動が重なり合ったことが原因とされている.
【当室での取り組み】
 当室ではインシデントレポートに上がってこない,普段は気付いた人や本人が黙って直してしまうような小さなミスも,新人・ベテランにかかわらず必ず指摘しあい記録・集計し,スタッフ全員で分析・改善を繰り返すことで,ヒヤリハットにつながる「環境の不安全な状態」と「人の不安全な行動」を可視化し,ミスの起こりにくい環境の整備を目的とした活動をおこなっている.
【取り組みの効果】
 開始後1年間で小さなミスは約3分の1に削減され,以下の効果が得られた.
・ミスの起きにくい環境の整備
・上下関係に左右されずミスを指摘できる環境
・ボトムアップの改善が常態化することで「個人が考える中材」への変化
【結語】
 本大会では具体例について解説したい.