第96回日本医療機器学会大会

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ポスター演題

ポスター演題

[P18] バーコード(GS1-128)を利用した医療材料の在庫管理の試み

鈴木 卓 (前田記念腎研究所茂原クリニック)

【目的】
当初,在庫管理は目視による製品名での管理であったが,製品の数え間違いや入力ミスなどがあった.また,有効期限日やロット番号の把握はおこなっていない.今回,医療材料の週間使用数および有効期限日やロット番号別の在庫数を容易に把握するため,バーコード(GS1-128)を利用した在庫管理を試みた.
【方法】
Google スプレッドシートおよびGAS(Google Apps Script)を用いた.バーコードリーダー(無線,レーザ式)を使用しスプレッドシートに入力した.読取は,アプリケーション識別子(Application Identifier : AI)の01:GTIN(Global Trade Item Number)および17:有効期限日,10:ロット番号とした.使用したバーコードリーダーは可変長データ区切りを認識しないので,スクリプト処理にて対応した.読込は在庫数(1回/週)および入庫数(都度)とした.週間使用数は先週および今週の在庫数差から求めた.なお,GS1-128を使用していない製品はJAN(Japan Article Number)コードを読み込み利用した.
【結果】
バーコード(GS1-128)を用いた在庫管理が可能であった.
【考察】
可変長区切りデータを認識できない状況において,複数の可変長データがある場合でもデータ取得をおこなえたのは,当該メーカの数量(AI:30)およびシリアル番号(AI:21)での桁数が固定長であることが判明したからである.本システムを使用して,以前は困難だった有効期限日およびロット番号を含めた在庫数および入庫数の把握が可能となり,さらに手入力作業から解放された.入庫についてのみ発注先代理店と情報共有をおこない,入庫状況の遠隔確認が可能である.
【まとめ】
バーコード(GS1-128)を利用した在庫管理をおこなった.週間使用数および入庫,在庫での有効期限日やロット番号の把握が可能となった.また,作業ミスの軽減,業務効率の向上が図られた.